太陽が昇って、今日も空が明るくなる。
朝ごはんを食べて、お昼ご飯を食べて、今日だけで何度目かわからない時計に視線を向けると、時計の針は十二の数字の上でピッタリと重なっていた。
「昼ごはんを食べるのが早すぎたかな……」
学校がある日だと、四限目が始まったくらいの時間だ。
なんだか今日は朝から落ち着かない。
リビングをぐるりと見まわして、ちゃぶ台に置いていた漫画を手に取る。
ぱらりとめくってから、やっぱり置いた。内容が頭に入ってこない。
佐伯との約束をしている二時まで、ずっとこんな調子なのだろうか。
いつも、休日をどんなふうに過ごしていたのだったか。
思い出そうと試みるけれど、ぼやけた頭では全然思い出せない。
もう一度時計に目をやる。
長い針が少し動いて、十二時二分。
ため息をついてソファにもたれかかる。
「暇すぎる……」
もういっそ、早めに家を出発してしまおうか。
一時間半くらい待つことになるけれど、あのミステリ小説を佐伯に返す前にもう一度読むとか。
家でだらけているよりも健康的だしずっといい。
よし、と意気込んで立ち上がる。
階段を駆け上り、二階のすぐにある自室へ入る。
クローゼットを開け、この前と同じ白無地のTシャツに手をかけたところで、待てよ、と動きを一時停止させた。
今日は佐伯に会うのだから、適当な格好で行ってからわれるのだけは避けたい。
どんな服でも「悠くんの私服だー!」なんて能天気に笑っていそうではあるけれど、一応。念には念をだ。
しばらく、といっても五分くらい、クローゼットの中を睨みつけた結果、上服は涼しげな空色のTシャツで、ズボンは前回と同じく黒のセミワイドパンツに決まった。
もともと自分の持っている服が少ないこともあり、試行錯誤が少なくて済むのはメリットとも言える。
財布とスマホ、あと佐伯に返すための小説をショルダーバッグに入れて、外に出た。
今日も攻撃的な太陽の眩しい暑さに早くも汗が滲んでくるのがわかる。
太陽を手で隠しながら空を見上げると、透き通るように淡い青に、ちぎったわたあめみたいな雲がくっついているのが見えた。
朝ごはんを食べて、お昼ご飯を食べて、今日だけで何度目かわからない時計に視線を向けると、時計の針は十二の数字の上でピッタリと重なっていた。
「昼ごはんを食べるのが早すぎたかな……」
学校がある日だと、四限目が始まったくらいの時間だ。
なんだか今日は朝から落ち着かない。
リビングをぐるりと見まわして、ちゃぶ台に置いていた漫画を手に取る。
ぱらりとめくってから、やっぱり置いた。内容が頭に入ってこない。
佐伯との約束をしている二時まで、ずっとこんな調子なのだろうか。
いつも、休日をどんなふうに過ごしていたのだったか。
思い出そうと試みるけれど、ぼやけた頭では全然思い出せない。
もう一度時計に目をやる。
長い針が少し動いて、十二時二分。
ため息をついてソファにもたれかかる。
「暇すぎる……」
もういっそ、早めに家を出発してしまおうか。
一時間半くらい待つことになるけれど、あのミステリ小説を佐伯に返す前にもう一度読むとか。
家でだらけているよりも健康的だしずっといい。
よし、と意気込んで立ち上がる。
階段を駆け上り、二階のすぐにある自室へ入る。
クローゼットを開け、この前と同じ白無地のTシャツに手をかけたところで、待てよ、と動きを一時停止させた。
今日は佐伯に会うのだから、適当な格好で行ってからわれるのだけは避けたい。
どんな服でも「悠くんの私服だー!」なんて能天気に笑っていそうではあるけれど、一応。念には念をだ。
しばらく、といっても五分くらい、クローゼットの中を睨みつけた結果、上服は涼しげな空色のTシャツで、ズボンは前回と同じく黒のセミワイドパンツに決まった。
もともと自分の持っている服が少ないこともあり、試行錯誤が少なくて済むのはメリットとも言える。
財布とスマホ、あと佐伯に返すための小説をショルダーバッグに入れて、外に出た。
今日も攻撃的な太陽の眩しい暑さに早くも汗が滲んでくるのがわかる。
太陽を手で隠しながら空を見上げると、透き通るように淡い青に、ちぎったわたあめみたいな雲がくっついているのが見えた。