あれから何日か経ち、普通の日常に戻った。

あの花屋は、なくなっていた。

後から聞いた話によると、あの少年は、鵺というあやかしだったようだ。

前に霧人にとどめを刺したのも鵺らしい。

湊は正体を知っていたようだ。

真白は、旧校舎にやってきていた。

「真白」

そこに、要がやってきた。

「まだみんな来ないみたいだね」

「うん」

今日は、湊のお祝いのためにみんなが集まった。

推薦で大学に合格したらしい。

「私があの屋敷にきてから不思議なことがたくさんあったな」

琥珀たちとの出会い、前世の記憶など、本当に驚くことばかりだった。

「真白、俺が前に話したこと覚えてる?」

要から告白じみたことを言われていたのを真白は思い出した。

「うん。覚えてる。私なんかでいいんなら、よろしくお願いします」

「本当に?」

「うん」

要が真白を抱きしめた。

「ありがとう。真白」

廊下から、ざわざわ話し声が聞こえてきた。

「みんなきたみたいだね」

真白と要は、ドアを開けた。