気がつくと、見知らぬ場所にいた。

「ここ、どこ?みんなは?」

「真白」

隣に琥珀がいた。

「琥珀?なんでいるの?」

「妙な気配がしたから、出てきたんだ。他の奴らはどうした?」

「わからないの。気がついたら、私一人だった」

「ここはおそらく、何者かの術によって作られたものだ。真白はここから出ることを最優先に考えろ。他のものたちは朱里たちに協力してもらおう」

真白はそれぞれ、朱里、瑞樹、蘇芳を呼び出した。

「お願い、みんなを探して」

「承知した」

三人は、他のみんなを探しに行った。

「私たちも出口を探すぞ」




要と隼人は同じ場所にいた。

「どこだ?ここは?」

「あの香水の香りを嗅いだら眠くなって…」

「とにかく、出口を探そう」

道を進んでいくと、一軒家が見えてきた。

「ここって…」

そこは隼人の祖母の家だった。


湊は、目を覚ました。

「どこだ?」

隣を見ると、春香が倒れていた。

「本条さん!」

湊が体を揺さぶると、春香は目を覚ました。

「生徒会長?あれ、みんなは?」

「今いるのは俺たちだけだ。別の場所にいるのかも」


「あ、あそこに誰かいます」

「え?」

春香には、女の子の姿が見えていた。

「誰もいないよ?」

湊には見えていないようだった。

女の子はゆっくりと春香に近づいてきた。

「私は千春。一緒に行こう」

千春と名乗った女の子は、春香の手を引いて連れて行ってしまった。

「本条さん!」

湊の声は春香には届かなかった。



「どこだ?ここ」

紫音は霧の中で目を覚ました。

「紫音」

その時、声が聞こえた。

紫音が声をした方を見ると、十歳くらいの男の子が立っていた。

理音(りおん)!」

それは、亡くなったはずの紫音の双子の弟だった。

「会いたかった…紫音」

天音も同じく、霧の中で目を覚ました。

「あ、目が覚めたの?お姉ちゃん」

琴音(ことね)?」

それは、亡くなったはずの天音の妹だった。

「きてくれて嬉しい。お姉ちゃん」



結奈は誰かに頭を撫でられて目を覚ました。

「結奈、目を覚ましたのね」

「お姉ちゃん?」

頭を撫でていたのは結奈の亡くなった姉だった。

「会いたかった。結奈」



「花蓮、花蓮、大丈夫?」

誰かの声に呼びかけられて花蓮は目を覚ました。

(あさひ)!」