「お父さん?何みてるの?」

「春香!」

慌てて写真を隠した。

「なんで隠すの?私にも見せて!」

春香が写真を取った。

そこには2人女の子の赤ちゃんが写っていた。

「横にいるの、お母さんだよね?なんで赤ちゃんが2人いるの?」

「春香…実は…」

春香の父親は、春香が本当は双子だったこと、妹の方が亡くなった時、真白の心臓が動き出したことを話した。

「お母さんはとても悲しんでな…でも真白のお母さんとは仲が良かったんだ」

「じゃあなんでお母さんは真白に冷たいの?」

「それは、真白たちが交通事故にあった時、両親が亡くなって、真白だけ生き残ったんだ。お母さんは元々、子供のこともあって、真白のことをよく思ってはいなかった。さらに自分の実の兄と本当の姉のように慕っていた人を一度に亡くして、どうすればいいのかわからなかったんだろう」

春香は黙って聞いていた。

「お前と真白は本当に仲が良かったからな。お前にはもう少し経ってから言おうと思っていたんだ。真白にも」


真白は、屋敷で蘇芳と話していた。

「霧人の生まれ変わり?」

「あぁ、君たちのところに行った時に微かに感じたんだ」


蘇芳がきたのは文化祭の時だ。

「あの時いた人たちの中に霧人の生まれ変わりがいるの?」

「注意したほうがいい」

「うん」

真白は頷いた。

次の日、真白は学校に向かっていた。

「おはようございます」

真白は花屋の青年に挨拶された。

「あ、おはようございます」

「この間は、文化祭にお邪魔させていただきありがとうございました。とても楽しかったです。お礼と言ってはなんですが…どうぞ」

青年から香水をもらった。

「ありがとうございます」

真白はお礼を言って学校に向かった。


「香水?」

真白は花屋でもらった香水を春香に見せた。

「学校の近くの花屋でもらったの」

「そうなんだ」

そこに要と隼人がやってきた。

「その香水、あの店でもらったんなら、使わない方がいい」

「どうして?」

「あの花屋、なんか変な感じがしたんだ」

隼人が言った。

春香も口を開いた。

「私もあの花屋に行った時、店員さんの顔を見た途端、倒れたんだよね」

「見てもらった方がいいかもな」


真白は香水を見てもらうことにした。

旧校舎の空き教室にみんなを集めた。

「あいつから香水をもらった?なんでそんなのもらったんだ」

慧は不機嫌そうにしていた。

「でも柏木さんは、知らなかったわけですし、言わなかった俺たちも悪いですよ」

千輝がなだめた。

「とにかく、ぜったいに開けるな」

慧が釘を刺した。

「これ、花の香りでもするのかな」

結奈が香水を見て言った。

「まぁ、花屋なんだから花だとは思うけど」

天音が答えた。

「とにかくこれは預かって…」