「今話したのが、君たちの前世の話だ」

湊はそう言って話を締め括った。

「じゃあ、飛影と未影が高嶺先生と冴島先生の前世?」

「そうだ」

近くで聞いていた慧が答えた。

「彩葉たちの屋敷を襲うように言ったのは、霧人という男だったんですか?」

「うん」

千輝が頷いた。

「すいませんでした!」

真白たちは頭を下げた。

「いいんだよ。君たちは霧人に会ったことがなかったんだから」

「もう夕方だね。遅くまでかかってごめんね」

「いいえ、教えて下さってありがとうございます」

真白たちは帰っていった。

春香は一人残っていた。

「あの、さっきの話…」

「なにかあった?」

「清華っていう女性、私の前世なんです」

湊は、ふっと笑った。

「うん。知ってたよ。だから、君に会えて嬉しかったんだ」