蒼葉と新羅がいないことに気づいた霧人は、飛影と未影に後をおわせた。

二人は追いつかれてしまった。

しかし、

「逃げてください。この先で、寿人様と奥方様が待っています」

蒼葉と新羅は、霧人の兄である、寿人の所有している別邸で世話暮らすことになった。

それからしばらくして、2人の間に女の子が生まれた。

その数年後、蒼葉と新羅は彩葉を残して亡くなった。

「兄上、あの二人の行方を知りませんか?」

霧人が寿人の屋敷にやってきた。

「あの2人は行方不明だろう。私が知るわけがない」

「そうですか。もう一つお聞きします。兄上の屋敷にいる男は誰ですか?」

「あぁ。あれは私の友人だ。しばらく屋敷に住むことになった」

「屋敷に他人を住まわせているのですか」

「いくところがないそうだ。心配するな、怪しいものではない」

「左様ですか…」


寿人は、部屋に戻った。

「よくきてくれたな。飛影、未影」

部屋には、飛影と未影の姿があった。

「ご用とはなんでしょうか?寿人様」

「実は、清華が夢で予知夢を見たようでな。5人の子供たちを彩葉の屋敷に連れてきてもらいたい」

「蒼葉様と新羅の娘の元にですか?」

「あぁ、必要な子供達なんだ」

こうして彩葉の元に5人の子供たちがやってきた。



「見つけた、ついに見つけたぞ。まさか子供がいたとはな」

それから数年後、ついに霧人が彩葉の居場所を見つけ出した。

「裏切りものどもめ、あの娘を呪い殺してやる」

霧人は彩葉に死の呪いをかけた。

「彩葉様!どうされ…」

部屋で倒れていた彩葉を見つけたのは、夜叉だった。

「これは、呪いか…」

夜叉は彩葉にかかっていた呪いを自分に写した。

その死の呪いは強力なもので、夜叉も倒れてしまった。

「夜叉!どうした!」

白夜が通りかかり、事情を聞いた。

「死の呪いが、彩葉様に…私に写したが、強力なものだ…」

夜叉は、血を吐いた。

「夜叉!」

白夜は急いで、暁月たちを連れてきた。

5人のおかげで夜叉の呪いは一時的に止まった。

桜の形をした首飾りに霊力が宿ったおかげで呪いを止めることができたのだった。


「なぜだ!なぜ呪いが効かない!」

彩葉が生きていると、わかった霧人は、未影に彩葉の屋敷を襲わせるよう指示を出した。

「しかし…」

「うるさい!私に従え!」

霧人は、未影の体を操り、彩葉の屋敷を襲わせた。

その頃、彩葉と、彩葉と白夜の娘、(はな)が神楽を舞うために、身を清めていた。

「なんだ!この気配は?」

暁月たちが気配に気づいた。

「これは、邪気!なんで屋敷の中に?」

「結界が破られてる!」

強力な邪気で、暁月、鈴蘭、千歳、翡翠はそのまま亡くなってしまった。