「真白!」
学校に着くと春香が駆け寄ってきた。
「春香、久しぶり」
二日会っていないだけなのにずいぶん久しぶりな気がする。
「電話で聞くの忘れたんだけど、荷物を送ってくれたのって誰かわかる?」
「あ、そうだ。家に私だけだった時に桜咲って言う人が真白の荷物取りにきてたよ。もう一人男の子がいたけど、その人の名前は聞かなかったな。多分、同じ家の人だと思うけど」
真白はおかしいと思った。
昨日は要以外人はきていないのだ。
「真白?」
「あ、ううん。なんでもないの。ありがとう」
そこまで話すとちょうどチャイムが鳴った。
高嶺が教室に入ってきた。
「席につけ。出席をとる」
話していた生徒が次々に席に着く。
(神崎くん、この学校に退魔師がいるって言ってたけど…)
一体どんな人たちなんだろうか?
「そういえばさ、五組にすごい人がいるんだって」
「え?」
お昼休みに春香と真白がお昼を食べていた時だった。
「私たちと同じ一年生で、部活の体験の時に剣道部の主将を倒しちゃった生徒がいるらしいよ」
「へえ、すごいね」
剣道部の主将をしている三年生は、全国大会に出るほどの実力を持っている。
そんな人を倒せるとは、ただものではないだろう。
「どんな人なんだろうねー」
その日の放課後。
日直だった真白は、担任に頼まれて授業で使った教材を資料室に運んでいた。
「はぁ…重かった…」
ダンボールを机の上においた。
ドアを開けて帰ろうとした時、黒い何かが床にいた。
「えっ何⁈」
黒いものは資料室の中に入ってきた。
虫ではないようだが動物にも見えない。
見たことがないものだった。
素早くそれは、棚と壁の間に入ってしまった。
「なんだったの…あれ」
真白が唖然としていると、廊下から誰かが走ってくるのが見えた。
男子生徒のようだ。
「あいつ、どこ行きやがった!」
息を切らしながら、資料室に飛び込んできた。
さっき隙間に入っていた黒いものが出てきた。
「見つけたぞ!」
男子生徒が、日本刀のようなものを持って黒いものに切り掛かった。
「ひっ!」
真白は驚きのあまり床に座り込んだ。
「紫音!何してるんだ!ここ、学校だぞ!」
要が飛び込んできた。
「真白?」
要が真白に気づいてしゃがみ込んだ。
「どうしたの?大丈夫?」
「あ、あの人、刀を…」
真白が震える手で指さす。
「今止めるから大丈夫。紫音!落ち着け!」
刀を振り回しているというのに、なんでこんなに冷静でいられるのだろうか?
真白がそう思っていた時、要がお札を取り出した。
それを黒いものに向かって投げた。
お札が張り付いて、黒いものは灰のように消えた。
「邪魔すんじゃねえよ。要」
「そんなもの学校で振り回していいわけないだろ」
「どうせ誰もいなかったから大丈…」
紫音と呼ばれた生徒は、今初めて真白がいることに気づいたようだ。
「い、今の見てたか?」
真白は頷く。
学校に着くと春香が駆け寄ってきた。
「春香、久しぶり」
二日会っていないだけなのにずいぶん久しぶりな気がする。
「電話で聞くの忘れたんだけど、荷物を送ってくれたのって誰かわかる?」
「あ、そうだ。家に私だけだった時に桜咲って言う人が真白の荷物取りにきてたよ。もう一人男の子がいたけど、その人の名前は聞かなかったな。多分、同じ家の人だと思うけど」
真白はおかしいと思った。
昨日は要以外人はきていないのだ。
「真白?」
「あ、ううん。なんでもないの。ありがとう」
そこまで話すとちょうどチャイムが鳴った。
高嶺が教室に入ってきた。
「席につけ。出席をとる」
話していた生徒が次々に席に着く。
(神崎くん、この学校に退魔師がいるって言ってたけど…)
一体どんな人たちなんだろうか?
「そういえばさ、五組にすごい人がいるんだって」
「え?」
お昼休みに春香と真白がお昼を食べていた時だった。
「私たちと同じ一年生で、部活の体験の時に剣道部の主将を倒しちゃった生徒がいるらしいよ」
「へえ、すごいね」
剣道部の主将をしている三年生は、全国大会に出るほどの実力を持っている。
そんな人を倒せるとは、ただものではないだろう。
「どんな人なんだろうねー」
その日の放課後。
日直だった真白は、担任に頼まれて授業で使った教材を資料室に運んでいた。
「はぁ…重かった…」
ダンボールを机の上においた。
ドアを開けて帰ろうとした時、黒い何かが床にいた。
「えっ何⁈」
黒いものは資料室の中に入ってきた。
虫ではないようだが動物にも見えない。
見たことがないものだった。
素早くそれは、棚と壁の間に入ってしまった。
「なんだったの…あれ」
真白が唖然としていると、廊下から誰かが走ってくるのが見えた。
男子生徒のようだ。
「あいつ、どこ行きやがった!」
息を切らしながら、資料室に飛び込んできた。
さっき隙間に入っていた黒いものが出てきた。
「見つけたぞ!」
男子生徒が、日本刀のようなものを持って黒いものに切り掛かった。
「ひっ!」
真白は驚きのあまり床に座り込んだ。
「紫音!何してるんだ!ここ、学校だぞ!」
要が飛び込んできた。
「真白?」
要が真白に気づいてしゃがみ込んだ。
「どうしたの?大丈夫?」
「あ、あの人、刀を…」
真白が震える手で指さす。
「今止めるから大丈夫。紫音!落ち着け!」
刀を振り回しているというのに、なんでこんなに冷静でいられるのだろうか?
真白がそう思っていた時、要がお札を取り出した。
それを黒いものに向かって投げた。
お札が張り付いて、黒いものは灰のように消えた。
「邪魔すんじゃねえよ。要」
「そんなもの学校で振り回していいわけないだろ」
「どうせ誰もいなかったから大丈…」
紫音と呼ばれた生徒は、今初めて真白がいることに気づいたようだ。
「い、今の見てたか?」
真白は頷く。