【しつけ】スキル!?
いきなり初聞きの言葉に面をくらう。
マリヴェラは、え、知らなかったの? みたいな顔で俺を見てきた。
「私が生まれつきユニークスキル【魔眼】を持ってるのは知ってるわよね」
マリヴェラは魔の国の王家の血を引く血統者だ。
世界でも人の数ほど存在するスキルの中、所有者が異常に少ないスキル、希少カテゴリーのスキルをマリヴェラは生まれつき持っていた。
【魔眼】とは人の所有スキルを見抜いたり、遠くの場所を見たりすることができる眼系のスキルを一度に数多く扱えるユニークスキルである。
マリヴェラはどうやら人の所有スキルを抜く【審判眼】を使うことで俺にユニークスキル【しつけ】があることが分かったらしい。
「どういう力なんだ?」
「ちょっと待ってて」
そういえば聖女ローデリアも俺がユニークスキルを持っていたからパーティの手元に置いたと言っていた。
本来ユニークスキルは特殊過ぎて、目で見て分かるようなスキルでも無い限り詳細を判別することは難しい。
人の所有スキルを見抜いたり見抜く【鑑定眼】というものがあるがマリヴェラはさらに上位の【審判眼】を習得していた。
マリヴェラの【魔眼】スキルだからこそ俺の【しつけ】スキルの詳細を知ることができるのだろう。
聖女では分からないことが魔王の子なら分かる。魔王の子の方が力量が上ってことだ。
「15歳未満の人の才能を成長率という形で可視化する。術者が教育することでその成長指数を極大にすることができるみたい。成長に補正をかけるスキルみたいね」
「つまり、自然に育てるよりもより才能を伸ばせるということか」
「だと思うわ」
試しにやってみよう。
【しつけ】スキルは15歳未満の誰でも可視化することができる。
あくまで成長率であって……実際の能力ではない。
「わーーい、わーーい」
ウチの子と同い年くらいの子か。
よし【しつけ】スキル、発動。戦闘スキルではないため使用後待機時間は存在しない。
統率 F
武道 E
魔導 F
政治 F
教養 D
魅力 D
容姿 D
道徳 A
なるほど、こんな感じのステート画面を見ることができるのか。当然俺にしか見ることができない。
特別訓練を受けていない子じゃこんなもんかな……。
あそこにいる裕福な家庭から生まれる育ちの良さそうな子は……っと。
統率 D
武道 E
魔導 F
政治 F
教養 C
魅力 D
容姿 C
道徳 S
お、結構高い気がする。
やはりちゃんとした大人に育てられる子は素質がある。つまり、成長率も高いってことか。
「この能力結構面白いな」
「あの子は?」
マリヴェラが指し示す先には街の武術道場があった。
ああ、道場の前で素振りをしている子か。
確か10年に1人の逸材で神童と言われた子だったな。あれはすごい成長率だと思うぞ
統率 E
武道 A
魔導 F
政治 F
教養 D
魅力 D
容姿 C
道徳 A
なるほど……神童だとAとなるのか。Aより高いのがSってことだな。
さすがの逸材。是非ともウチの子達もこの子にいろいろ教えてもらおう。
さてと用も済んだし帰るとするか。興味本位でマリヴェラをじっと見ている。
「残念、私は15歳だから【しつけ】スキルは発動しません」
マリヴェラが得意げに笑う。
ちっ、そういえばそうだったな。
マリヴェラだったら容姿SSくらいはいくと思ったんだが……分からないか。
まぁ成人してるから成長期も陰りが見えてくるだろうし、今更とも言えるだろう。
孤児院に帰ってさっそく、俺とマリヴェラが育てる初めての子を呼び出した。
5人の子供達がわらわらとやってくる。
まだ5歳で元気いっぱいでようやく俺やマリヴェラになつき始めた頃だった。
まずは年のわりに丁寧でおしとやかな女の子、フィロメーナ。
いくら才能があっても本人が嫌がったら本末転倒である。俺は子供達の意志を尊重する教育方針だからな……。
よし【しつけ】スキル、発動。
フィロメーナ・ハーヴァン
統率 A
武道 SSS
魔導 A
政治 F
教養 E
魅力 S
容姿 S
道徳 G
「ほげっ!?」
なんだこれ、なんだこれ!?
武道SSSってなんだ。さっきの神童の子でAだったのに、バグってんのか!
確かにフィロメーナはじゃれ合いで俺を背負い投げでぶん投げるほど強い。枯れ木を振るだけで剣刃が出るのもすごいと思っていたがもしかして才能めちゃくちゃある?
このSSSってのがどれほどすごいのかよく分からないが、成長率が凄まじく高いというのだけは分かる。
「フィロ、運動は好きかな?」
「だいすき! わたし、体動かすのがとっても好きです」
そうか、そうか。だったら武道の才能を伸ばせるかもしれないな。
「フィロは何か夢とあるのかな?」
フィロは腕を組んでゆったりと考える。
「うん、パパのお嫁さんになりますーーーっ!」
うん、子供はやっぱりかわいいなぁ。
さてとしっかりと育ててあげないとな……。
じゃあ次は物静かで本を読んでばかりの女の子、テトラを見てみよう。
テトラ・ハーヴァン
統率 F
武道 F
魔導 SSS
政治 B
教養 SS
魅力 A
容姿 S
道徳 F
ええ……。
今度は魔導かよ。
確かにテトラは世界で0.01%ほどしかいないと言われる六属性魔法の習得をわずか5歳で成し遂げた。
魔法の才能があると分かってたけど……まさかこれほど!?
「テトラは大きくなったら何になりたい?」
「パパのお嫁さん!」
そうかそうか。まぁ5歳の言葉だしな……これでいい。
じゃあ次はすでに目を見開くほどかわいいらしい女の子のエクスリーゼと研究好きな落ち着いた女の子のメリシュだ。
エクスリーゼ・ハーヴァン
統率 S
武道 S
魔導 F
政治 F
教養 F
魅力 SSS+
容姿 SSS+
道徳 G
エクスリーゼは何となく分かる。
5歳の段階で神が作り出した人形かって思うくらいに超絶に美しい。何で捨てられたの、孤児なの!? って思うくらいだ。
街一番のマリヴェラが絶対勝てないと呟くほどの容姿の才覚を持っている。
メリシュ・ハーヴァン
統率 S
武道 A
魔導 A
政治 SS
教養 SSS
魅力 S
容姿 S
道徳 G
メリシュは頭の良い女の子だ。
5歳の時点で学術書を読み込んで、古代文字の研究とかしてるもんな。
医学方面に興味があるようでケガした動物に接合手術とかしてるのを見た時はびっくりした。
「リーゼとメリシュは将来の夢はあるのか」
「パパのお嫁さんなの!」「パパのお嫁さん」
ははは……モテて困るな。
まぁ10年もしたらみんなそれぞれ彼氏が出来てしまうのだろう。
さて、最後は唯一の男の子、アルヴァンだ。
アルヴァン・ハーヴァン
統率 SSS
武道 SS
魔導 S
政治 SSS
教養 S+
魅力 S+
容姿 SS
道徳 G
完全無敵じゃねぇか……これはびっくりした。
政治と統率が秀でている。
アルヴァンは確かに同年代のみんなのまとめ役だ。すでに5歳なのに孤児院の子供達の取りまとめ役となっている。
どんだけ成長早いんだよ……って思ってた。軍師とか政治家とかそっちの道へ進むかもしれないな。
「アルヴァンは……パパのお嫁さんとか言わないよな」
「はぁ」
アルヴァンはため息をつく。
「バカにしてるのパパ? 僕はしっかり勉強して政治経済を学び、世界を見てまわるよ。そして」
さすがアルヴァン。5歳とは思えないくらいしっかりしている。
「ママのお嫁さんになる」
あー、そっち行っちゃったかぁ。
◇◇◇
「なぁ、マリヴェラ。ウチの子達」
「どうだった? って何よその顔」
俺の表情はきっと穏やかではなかったに違いない。
「道徳がやばい」
街の子はB~Sで納まってるのに全員最低ランクなんだよ。何か怖いんだけど。
いきなり初聞きの言葉に面をくらう。
マリヴェラは、え、知らなかったの? みたいな顔で俺を見てきた。
「私が生まれつきユニークスキル【魔眼】を持ってるのは知ってるわよね」
マリヴェラは魔の国の王家の血を引く血統者だ。
世界でも人の数ほど存在するスキルの中、所有者が異常に少ないスキル、希少カテゴリーのスキルをマリヴェラは生まれつき持っていた。
【魔眼】とは人の所有スキルを見抜いたり、遠くの場所を見たりすることができる眼系のスキルを一度に数多く扱えるユニークスキルである。
マリヴェラはどうやら人の所有スキルを抜く【審判眼】を使うことで俺にユニークスキル【しつけ】があることが分かったらしい。
「どういう力なんだ?」
「ちょっと待ってて」
そういえば聖女ローデリアも俺がユニークスキルを持っていたからパーティの手元に置いたと言っていた。
本来ユニークスキルは特殊過ぎて、目で見て分かるようなスキルでも無い限り詳細を判別することは難しい。
人の所有スキルを見抜いたり見抜く【鑑定眼】というものがあるがマリヴェラはさらに上位の【審判眼】を習得していた。
マリヴェラの【魔眼】スキルだからこそ俺の【しつけ】スキルの詳細を知ることができるのだろう。
聖女では分からないことが魔王の子なら分かる。魔王の子の方が力量が上ってことだ。
「15歳未満の人の才能を成長率という形で可視化する。術者が教育することでその成長指数を極大にすることができるみたい。成長に補正をかけるスキルみたいね」
「つまり、自然に育てるよりもより才能を伸ばせるということか」
「だと思うわ」
試しにやってみよう。
【しつけ】スキルは15歳未満の誰でも可視化することができる。
あくまで成長率であって……実際の能力ではない。
「わーーい、わーーい」
ウチの子と同い年くらいの子か。
よし【しつけ】スキル、発動。戦闘スキルではないため使用後待機時間は存在しない。
統率 F
武道 E
魔導 F
政治 F
教養 D
魅力 D
容姿 D
道徳 A
なるほど、こんな感じのステート画面を見ることができるのか。当然俺にしか見ることができない。
特別訓練を受けていない子じゃこんなもんかな……。
あそこにいる裕福な家庭から生まれる育ちの良さそうな子は……っと。
統率 D
武道 E
魔導 F
政治 F
教養 C
魅力 D
容姿 C
道徳 S
お、結構高い気がする。
やはりちゃんとした大人に育てられる子は素質がある。つまり、成長率も高いってことか。
「この能力結構面白いな」
「あの子は?」
マリヴェラが指し示す先には街の武術道場があった。
ああ、道場の前で素振りをしている子か。
確か10年に1人の逸材で神童と言われた子だったな。あれはすごい成長率だと思うぞ
統率 E
武道 A
魔導 F
政治 F
教養 D
魅力 D
容姿 C
道徳 A
なるほど……神童だとAとなるのか。Aより高いのがSってことだな。
さすがの逸材。是非ともウチの子達もこの子にいろいろ教えてもらおう。
さてと用も済んだし帰るとするか。興味本位でマリヴェラをじっと見ている。
「残念、私は15歳だから【しつけ】スキルは発動しません」
マリヴェラが得意げに笑う。
ちっ、そういえばそうだったな。
マリヴェラだったら容姿SSくらいはいくと思ったんだが……分からないか。
まぁ成人してるから成長期も陰りが見えてくるだろうし、今更とも言えるだろう。
孤児院に帰ってさっそく、俺とマリヴェラが育てる初めての子を呼び出した。
5人の子供達がわらわらとやってくる。
まだ5歳で元気いっぱいでようやく俺やマリヴェラになつき始めた頃だった。
まずは年のわりに丁寧でおしとやかな女の子、フィロメーナ。
いくら才能があっても本人が嫌がったら本末転倒である。俺は子供達の意志を尊重する教育方針だからな……。
よし【しつけ】スキル、発動。
フィロメーナ・ハーヴァン
統率 A
武道 SSS
魔導 A
政治 F
教養 E
魅力 S
容姿 S
道徳 G
「ほげっ!?」
なんだこれ、なんだこれ!?
武道SSSってなんだ。さっきの神童の子でAだったのに、バグってんのか!
確かにフィロメーナはじゃれ合いで俺を背負い投げでぶん投げるほど強い。枯れ木を振るだけで剣刃が出るのもすごいと思っていたがもしかして才能めちゃくちゃある?
このSSSってのがどれほどすごいのかよく分からないが、成長率が凄まじく高いというのだけは分かる。
「フィロ、運動は好きかな?」
「だいすき! わたし、体動かすのがとっても好きです」
そうか、そうか。だったら武道の才能を伸ばせるかもしれないな。
「フィロは何か夢とあるのかな?」
フィロは腕を組んでゆったりと考える。
「うん、パパのお嫁さんになりますーーーっ!」
うん、子供はやっぱりかわいいなぁ。
さてとしっかりと育ててあげないとな……。
じゃあ次は物静かで本を読んでばかりの女の子、テトラを見てみよう。
テトラ・ハーヴァン
統率 F
武道 F
魔導 SSS
政治 B
教養 SS
魅力 A
容姿 S
道徳 F
ええ……。
今度は魔導かよ。
確かにテトラは世界で0.01%ほどしかいないと言われる六属性魔法の習得をわずか5歳で成し遂げた。
魔法の才能があると分かってたけど……まさかこれほど!?
「テトラは大きくなったら何になりたい?」
「パパのお嫁さん!」
そうかそうか。まぁ5歳の言葉だしな……これでいい。
じゃあ次はすでに目を見開くほどかわいいらしい女の子のエクスリーゼと研究好きな落ち着いた女の子のメリシュだ。
エクスリーゼ・ハーヴァン
統率 S
武道 S
魔導 F
政治 F
教養 F
魅力 SSS+
容姿 SSS+
道徳 G
エクスリーゼは何となく分かる。
5歳の段階で神が作り出した人形かって思うくらいに超絶に美しい。何で捨てられたの、孤児なの!? って思うくらいだ。
街一番のマリヴェラが絶対勝てないと呟くほどの容姿の才覚を持っている。
メリシュ・ハーヴァン
統率 S
武道 A
魔導 A
政治 SS
教養 SSS
魅力 S
容姿 S
道徳 G
メリシュは頭の良い女の子だ。
5歳の時点で学術書を読み込んで、古代文字の研究とかしてるもんな。
医学方面に興味があるようでケガした動物に接合手術とかしてるのを見た時はびっくりした。
「リーゼとメリシュは将来の夢はあるのか」
「パパのお嫁さんなの!」「パパのお嫁さん」
ははは……モテて困るな。
まぁ10年もしたらみんなそれぞれ彼氏が出来てしまうのだろう。
さて、最後は唯一の男の子、アルヴァンだ。
アルヴァン・ハーヴァン
統率 SSS
武道 SS
魔導 S
政治 SSS
教養 S+
魅力 S+
容姿 SS
道徳 G
完全無敵じゃねぇか……これはびっくりした。
政治と統率が秀でている。
アルヴァンは確かに同年代のみんなのまとめ役だ。すでに5歳なのに孤児院の子供達の取りまとめ役となっている。
どんだけ成長早いんだよ……って思ってた。軍師とか政治家とかそっちの道へ進むかもしれないな。
「アルヴァンは……パパのお嫁さんとか言わないよな」
「はぁ」
アルヴァンはため息をつく。
「バカにしてるのパパ? 僕はしっかり勉強して政治経済を学び、世界を見てまわるよ。そして」
さすがアルヴァン。5歳とは思えないくらいしっかりしている。
「ママのお嫁さんになる」
あー、そっち行っちゃったかぁ。
◇◇◇
「なぁ、マリヴェラ。ウチの子達」
「どうだった? って何よその顔」
俺の表情はきっと穏やかではなかったに違いない。
「道徳がやばい」
街の子はB~Sで納まってるのに全員最低ランクなんだよ。何か怖いんだけど。