瀬戸くんを見かけた時は、飛び上がりそうになるほど嬉しかった。

でも、なかなか話すタイミングがなく、今まで話せなかった。

「瀬戸くんって学校ではあんまり話さないよね?」

「みんなでワイワイ騒ぐよりも、一人で読書してた方が好きだから」

「そうなんだ」

瀬戸くんは、しっかり自分を持っていて、羨ましい。

友達に合わせてばかりの私とはまるで逆だ。

誰かと一緒にいないと、不安になる。

もうあの頃には、戻りたくない。

しばらくして、瀬戸くんが、立ち上がった。