次の日、僕は8時55分に遊園地の入り口の前にいた。
体が強くなってからも遊園地のようなキラキラした場所に出かけたことがなく、ましてや好きな人と外出するとなったため僕は緊張で昨日の夜、あまり寝付けなかった。

(こういう時、世の中の男子は何をしてるんだ...?)

彼女がくるのを待っている間も未経験のことばかりで軽くパニックになっていた。

「ごめーん!お待たせしました!」

9時、夏らしい白いワンピースに身を包んだ彼女が小走りで僕のところまできた。

「いや、ぜんぜん待ってないよ。じゃあ入ろうか。」

そう言って僕はチケット売り場に向かおうとしたところ、彼女に引き止められた。

「ちょっと待って!じゃじゃーん!実はお姉ちゃんからチケット2枚もらってまーす!(笑) だから買わなくていいよー!」
「え?!」
「準備いいでしょー!」

彼女は嬉しそうにチケットを見せてきた。そんな彼女を見て僕は思わず笑ってしまった。

遊園地に入ってから彼女はとてもはしゃいでいた。ジェットコースターに乗り慣れていなくて酔った僕を見て笑いながら水を差し出してくれたり、メリーゴーランドに乗ってる時に手をたくさん振ってきたり。お化け屋敷では僕を脅かそうとしてきた。案の定、引っかかってしまったけど。(笑)
アトラクションを楽しむだけでなく、いろんな写真も撮った。
今日一日だけで彼女との思い出がたくさんできた。

閉園前、僕たちは最後に観覧車に乗ることになった。
僕と彼女、向かい越しにゴンドラに乗り込む。

「ねぇねぇー!見てー!ライトアップされててめっちゃ綺麗だよー!」

彼女がガラス越しに指を差しながら僕に伝える。彼女の横顔がイルミネーションに反射してなのかわからないが輝いて見えた。
僕はそんな彼女の横顔に見惚れ、思わず口から言葉が溢れた。

「...好きだ。」

「えっ、...」

彼女は僕の言葉に驚き、こっちに振り向いた。
僕は自分でも想定外のことに少しパニックになっていたが、言葉を続けた。

「ごめん。急にこんなことを伝えて...。
 でも、本当に君が好きなんだ。すぐにじゃなくていいからゆっくり考えて返事して欲しい...。」

僕は内心恥ずかしがりながらもきちんと彼女に思っていることを伝えた。

「わかった。気持ち伝えてくれてありがとう。次会った時に返事するね。」

彼女は笑顔でそう言ってくれた。

ちょうどその時、下についた。

その日はここでお開きとなった。



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僕は観覧車の中で彼女に告白してからも相変わらず毎日橋の下で読書をしていた。

あれから彼女はずっと来ない。

僕があの時告白してしまったことで困らせてしまったのだろうかと考えていたが、そんなことを考えている暇もなく月日は流れていった。

夏休みが終わり、中間テスト、期末テストと終わり、冬休みが終わっていった。


僕はずっと橋の下で彼女を待ち続けていた。
しかし遊園地に遊びに行ってから僕は一度も彼女とは会えなかった。