彼女は反桐梨々(りり)さん。

約1年前の高1の夏。芸能事務所に受かり、上京。

女優の夢を追いかけている。

それなのに……何故ここに居るの? 反桐さん…。



「ドラマの主演が決まったの。
今日が撮影初日」

「主演!!! すごい!!!
今日が撮影初日って……時間、大丈夫?」

「今から向かえば、間に合うよ」

「じゃあ、向かわないと」

「本当に向かって良いの?
本当に……そう思ってるの?」



……同じだ。

自分は天才じゃないから、女優という夢を諦めたいけど、諦められなくて苦しんでいたあの頃の反桐さんと……。