放課後の教室で僕は奏を待っていた。夕日が差し込んできて床が彩られる。僕は思わずしゃがみ込んで太陽に視線を合わせた。眩しい太陽の光が僕の目に映る。後ろから奏に声をかけられ振り向くと奏の顔が夕陽で輝いていた。見惚れていると奏もしゃがみ込んできた。太陽をバックにして僕たちはお互いの思い出を語り合った。こんな青春の瞬間、この三年間であっただろうか?未知のウイルスに襲われた人類はここ数年年、制限された社会で生きてきた。特に学生は行事も潰れ、マスク生活に自粛だなんだと若者ばかりが悪いみたいに言われてきた。僕たちには今しか学生でいられる時間はないのにご時世だから、若者だからと我慢ばかり強いられてきた。僕たちは散々語り明かした後先生に見つかって怒られたがとてもいい青春の一ページだったと思う。太陽に照らされて笑う君の顔がやけに綺麗に見えたこと、誰にもわからないネタで大笑いしたこと。絶対に忘れない。