荒れ地から北西に続く街道 

残された二名は何とか協力することにした

たまたまお互いの利益が合致しただけの関係

いつこの関係は寂れ、新たなる火種と変化するのかそれは誰にもわからない

パチパチパチ

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うるさい!あんたのソレ耳に障るのよ!!

「心の声が出てますよ」

は?

「あ?え?うそ・・・」

「冗談ですが。本当に何か思ってたんですか?」

「い、いや。何でもないわ。アンタいないと・・・あたし絶対この町で死ぬし」

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「口と心は災いのもと」

「は?」

「覚えておくと便利ですよ」

ナニソレイミカンナイワ

そうしている間にも次から次へと道中今までの世界では有り得ない事柄が起こっていた

「あのブタ肉、もう山賊あたりに食われたかしら」

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「知らないよ」

この心がブス女、サバイバル術には長けているらしく、暴漢に襲われた場合の対処も持ち合わせている

「あー、ウザい!!」

俊敏な※ナイトレイドを次々となぎ倒し、動かなくなるまで迎え撃つ。

※本来は夜盗のごとく夜に現れる紫色のハイエナ

女にしては中々の胆力の持ち主といったところか

10分後

「ダメェ!ちょっと休憩!!」

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「やはりトシにはかないませんか?」

「ぶつよ・・・?」

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「そのバタフライナイフ、少しでいいんで」

パチ男くんは傲慢に手でジェスチャーをしてよこせポーズをとる

このガキ・・・

「わかったわよ、ホラ」

乱雑に私はパチ男にナイフを投げ渡す

「うーん・・・やっぱり」

「なに」

「刃こぼれが酷いですね、これでは対等にやりあえる相手ともやれなくなりますよ」

「・・・じゃあどうしろっていうの!?ここには修繕屋、鍛冶屋だっていないのに!」

するとパチ男はきれいな頬をボリボリかき

「やっぱり、あなたは相手を低く見る悪臭がありますね」

次の瞬間パチ男は何を思ったのか工具を取り出し、切り株を支店にマルチタスク状態で次々とナイフの修繕を始めた

その間たったの3分

「どうぞ」

それだけ言ってパチ男は私にナイフを投げてよこした

「・・・ウソ」

刃こぼれどころか

「前よりも鋭利になってる・・・」

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「エンジニア、とは」

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「何も【ITだけ】の事を指すわけではありません」