夏の日差しが照り輝く。
そんな日に、私たちは、ある映画を見に来たのだ。

「キャー」

「あー。おもしろかったわ。風鈴。」
「ちょっと。笑わないでよ。」

あの日。
涼平から思い出保存をしようと言われ、他の思い出を
作るのがいいのでは、と思い映画に来てみたのだ。

そこで私たちが初めて選んだ場所は、映画館。
2人とも、その大事な人とは、来たことがないことも
あり、直ぐに行ってみることにした。

それで私がなんでこんなに叫んでるかって。それは、
ホラー映画を見ることにしたからだ。

「ホラー映画いけるっていったじゃん笑 風鈴。」

「いやー。いつもはいけるんだけどな。」

もちろん嘘で私は、ホラーが大の苦手だ。
どちらかといえばラブストーリーが見たかったが、
新しいことという面ではいい経験?になったはずだ。

それから、私たちはカフェに行ってお茶をすることに
した。

「あー。楽しかったな。」「だね!」

やっぱり何故か、涼平といると笑顔になれる。
居心地がいい。でもひとつ頭に引っかかるものが
あった。

「ねっ、涼平って彼女いんの?」

「いないよ笑」

えっ、信じられないあまりに目を大きく広げてしまい、彼が笑っている様子が見えた。

「じゃあ、あの子は?」

「あっ。話せば長くなるんだけど、俺が抱えているのを上書きしてくれそうだった子なんだよね、、でも何故か心が欠けているそんな気がして。」

全く同じだ。私も涼太を失って、優太と出会ったが何かが心の中で足りなかった。きっと涼太にしか持っていないもの。

「いや、それこそ風鈴はだめだろ?彼氏持ちだろ?」

「違うよ、」「えっ、」

彼が戸惑った表情をこちらへ浮かべる。
まぁ、あの状況でそう見えるのは仕方ない。
私は、一から優太のことを語った。

すると、涼平は戸惑いの表情を浮かべながらこちらを見る。どこか悲しげでせつない表情。なんなんだろう。
この表情は。私は聞くことが出来なかった。

帰り道。その話をしたあとから彼は少し変だ。
でも明日も会うことになっているため、
私は深堀するのをやめて置いた。

家に帰り、今日の写真を見返す。はぁー。
顔も似ている。性格も。名前まで。
もう私の気持ちは、真っ直ぐな線のように
あらわれていた。

机の引き出しに眠っていた、1冊のアルバムを
取り出す。
涼太の顔。笑っている顔。照れている顔。
色んな表情の彼。

やっぱり私は、涼平と涼太を比べてしまう。
似ているすごく。そして、大好き。

ベットにうつ伏せになり、その日は
寝落ちしてしまった。