今日は、少し遅めに家を出た。もう日が暮れ始めている。「よっ!風鈴」「やっほー!!」

あの日から、何回も会う内に、彼から好意を向けられるようになった。
だけど、私は、まだ自分の気持ちを整理できていなかった。そんな私に、優太は、「ゆっくりでいいよ。」と言ってくれた。

本当に優しい彼に、答えたい気持ちもあるが、まだ考えたい気持ちが大きい。それを伝えたら、夏休みで試してみてと言われた。

今日は、そう。花火をしに行く。

「うわー綺麗だな。」「ねー。花火大好き。」

花火に浸りながらゆっくり時間が過ぎていく。
この時間も大好きだ。

ぱちぱちぱち

この音懐かしいな。

ぽろっ。1粒の雫が足に落ちてきた。

「あれっおかしいな笑 なんでだろ」

「たくさん泣きな。」

あの日の思い出が蘇る。

大好きだったあの人。会えないあの人。
どこで会えるんだろうと。

その日は、湿気混じりの空気が吹いていた。