その後の授業は、朝のことが気がかりで何も集中
できなかった。

キンコーンカンコーン

「えーじゃあ今日のホームルーム終わり。号令。」

「気をつけ。礼。」「ありがとうございましたー。」

今日もやっと一日が終わったーと思っていたらいじめをしてるヤツらが近づいてくる。

「おーい。涼太。ちょ家まで荷物持ちしてくんね?」

バカバカしい提案に俺は無視し、走って逃げる。

すぐにヤツらが追いかけてくる。くそー。
このままだと捕まってしまう。

すると急に1人のどこかでみたことのある女子高生が
話しかけてきた。

「あっ!朝の男の子だ!屋上いくぞー!」

「ごめん。今そんな場合じゃなくて、、」

俺はもう追いついてきているヤツらを確認して
あきらめがついた。どんどんスピードを落としていく。

もう無理だ。

「涼太。お前逃げるとかいい度胸してんな。」

足で蹴られ、倒れる。

どうしよう。

また傷だらけで帰ったら母が心配する。

そんな時だった。ドスン。大きな音がした。

何が起こった。

振り向くと朝あった謎の女子高生が立っていた。

理解するまで時間がかかったが、どうやら華奢な彼女がヤツらを投げ飛ばしたらしい。

「暴力はいけないでしょ!」

奴らは数秒固まって、すぐに謝りながら去っていった。

まるでドラマのようなことがおき、困惑だらけだ。

「じゃあ、片付いたことだし、行こうじゃないか勇者」

呑気に先陣をとる彼女に言いたかった。

勇者は君だろ。