その夏の後、1人で流しそうめんをした。

スイカ割りも。川遊びも。花火も。海にも行った。

でも何か足りなかった。

ピンポーン 「はいこんにちは、どうぞ」

「すみません挨拶してもいいですか?」

「どうぞ。喜ぶわ。」和室に通してもらう。

仏壇の前で手を合わせる。「遅れてごめんね。涼太。」

学校から帰ってる途中彼は、。彼は、車にはねられた。
症状は脳死。

彼は、。涼太は、。意識が無くなってしまったのだ。

生きているけど意識は無い。私は、その事に向き合えず、引きこもりになっていた。

そんな時、涼太のお母さん、おばさんから、電話を受けた。見て欲しいものがあるのと。

涼太は、最後にメッセージを残していた。
心臓移植をすること。
涼太のお母さんがその伝言を見て、
彼は心臓を他の人に授けた。そして私にも伝言を。

「風鈴へ
手紙先に読んでごめんな。それ読んで思った事なんか今書き出してる状態。変だよな笑でも、風鈴だけあんなに背負うのはな。いくら何でも可哀想だから。俺も書くよ。俺の願いはただ1つ。風鈴に今世も生きて欲しい。あきらめずに。もちろん大変なことっていうのは分かってる。だから直で言える自信ないから一応手紙に書いてるし。でも、自分の目標を強く持って叶えて欲しい。風鈴なら、センスあるしスタイリスト絶対なれるだろう。絶対叶えろ。まぁもう1つ願いがあるとすれば、ちゃんと告白して風鈴と付き合いたい。俺、勇気でなかったわ。もし、言ってこの関係が壊れたらと思うと、風鈴とは関われない。そう思って閉じ込めた。だから、いつか絶対に伝える。俺に初めて生きる希望をくれたから。君ならどこだって駆け抜けられるよ。自分を信じて突き進め。どんな大きい壁でも乗り越えられる君なら。生きてくれ。お願いだから、、ただそれだけ。 涼太より」

最後の字が滲んでいる。涙のあとがある。

私はその手紙を読んで泣き崩れた。自分が、。自分が先に死ねばこんなのは味あわなくてすんだ。

涼太は生きれる命なのに。なんで、。なんで、。
私は神様を何度も恨んだ。

絶望して引きこもって。でも、私は決めた。

彼の最後の願い。生きることを。
それは相当大変な事だった。たくさんの病院を受診して何度もオペを受け、心臓移植をやっとして今生きている。
涼太みたいな誰かが繋げてくれた命を私は受け取った。

だからね、。涼太。私生きるね。