「暑い…」
「だからね、いったじゃん。暑いよって」
「…聞こえてなかった。なんで智也くんは平気なの?」
なんだろ、んー
「ん…暑いところに慣れてるから?かな」
「うぅ…でもここ本の品ぞろえ最高だね!」
「ふふん。そうでしょ」
「そこでなんで智也くんが自慢げなの?」
「それは僕が見つけた最高な本屋だから」
「それは確かに」

僕は僕で、凪夜々は凪夜々で好きな本を探す
途中途中、凪夜々が話しかけてくる
「ねぇねぇ智也くん、この本どう思う?」
そういって持ってくる本は、大体恋愛ものだった。
僕そういうのに疎いんだけど…
「んー凪夜々がおもしろいと思うなら買えば?」
「そうだね。で智也くんは?」
「僕はこれかな…前回買った本の続編」
「…私にはそれだけには見えないんだけど」
「うげっ」
そこは突っ込まないでほしかった…
「私にはざっと20冊はあるように見えるけど…てか、家に何冊本あるの?」
「…15冊だもん…家には…押し入れにしまってるのも含めて1000冊くらい?いや、もっとあるかも…」
「…読まないやつ、売ったら?」
「いやぁなんか愛着というか、読み返したいとか…いろいろあって…、そういう凪夜々は何冊くらい?」
「100冊くらいかな。まえ売ったばっかりだから」
売った…僕ならその選択肢はないな…
「あっ!智也くん、買った本をさ土手で読もう!!天気いいし!!」
「ん、いいよ、レジ行くか」

「おぉ雨内くん。今日は何を買うの?ありゃ後ろは雨内君の彼女かな?」
「はっ!?違います!!なんというか…本仲間?」
「そうかいそうかい。おじさんの店に来てくれてありがとね、雨内くんの彼女さん」
「だからっ彼女じゃっ」
「あ、おじいさん。私の名前は花城凪夜々です。智也くんの、友達です!!」
友達でよかったんだ
「じゃあ凪夜々ちゃん。こんどおじさんと雨内くんについて語ろうか」
おじさんちゃっかり何誘ってるの!
「だーっめ!!凪夜々は僕と、本の話するんだから!!」
「あら、雨内くんもすっかり妬いちゃって」
「おじさん!!」
僕らがぎゃーぎゃーぴーぴー騒いでる間に、日は暮れていく

「はぁ結局本の話できなかったね…」
「凪夜々…また今度やろう!ね!ね!」
「うん」
「で今日はおじさんがごめんね」
「いや、楽しかったからいいよ~。まさか智也くんが妬いてくれるなんて…」
「妬いてなんかないし!!」
「え~どうかなぁ~。私もう門限だから帰るね。また今度!!」
「わかった。またね」

今日は騒がしい一日だった