「好きな子を置いていきたくないの?」
「うん。帰国したら来年のこっちの学校は二学期からだし……」
「一時帰国、するんでしょ」
「言っただろ、わからないって」
「なら、途中で帰国するつもりで行けばいいじゃん。調べたら、それもいいって」
確かに基本的に途中帰国はしてもいいことになっている。
ただ、それはホームシックになったり、留学先に馴染めずに限界を迎えた時が大抵。
初めから途中帰国する気でいる人はほとんどいないだろう。
何よりも、行きたいと言っていたのは自分なのに、中途半端なところで帰ってくるのは俺が俺を許せない。
最初からその気だというのなら尚更。
それなら寧ろ行かなくていいとさえ思う。
零と百はあっても五十はない。
行くと言うのなら最後まで、だ。
「途中帰国はしない」
これは留学に行くにあたっての重要事項の一つ。
精神に異常をきたさない限り戻ってこない。
「なら……」
小さな声に、気分を害したかもしれないと思って本を見ていた顔を上げる。
「なら、さっさと決めちゃえばいいじゃん!」
上げた顔に怒声が直撃する。
その声は一瞬で俺を混乱させた。
「うん。帰国したら来年のこっちの学校は二学期からだし……」
「一時帰国、するんでしょ」
「言っただろ、わからないって」
「なら、途中で帰国するつもりで行けばいいじゃん。調べたら、それもいいって」
確かに基本的に途中帰国はしてもいいことになっている。
ただ、それはホームシックになったり、留学先に馴染めずに限界を迎えた時が大抵。
初めから途中帰国する気でいる人はほとんどいないだろう。
何よりも、行きたいと言っていたのは自分なのに、中途半端なところで帰ってくるのは俺が俺を許せない。
最初からその気だというのなら尚更。
それなら寧ろ行かなくていいとさえ思う。
零と百はあっても五十はない。
行くと言うのなら最後まで、だ。
「途中帰国はしない」
これは留学に行くにあたっての重要事項の一つ。
精神に異常をきたさない限り戻ってこない。
「なら……」
小さな声に、気分を害したかもしれないと思って本を見ていた顔を上げる。
「なら、さっさと決めちゃえばいいじゃん!」
上げた顔に怒声が直撃する。
その声は一瞬で俺を混乱させた。