「あーあ……」

高校生の時に大好きだった人。
まだ世界の一面さえ知らないわたしが、自分のすべてをかけて恋していた人。
かけがえのない大切な青い春の思い出。
なのにいま、なんだか虚しい。
あんなに大切で綺麗で眩しいほど輝いていた時間を、自分で汚してしまった気分だ。

青春に続きなんてなかった。
青春は青春だからこそ、綺麗だったんだと気づいた。
わたしはもう、あの頃のわたしじゃない。
あの頃のわたしじゃないから、あの時の恋をできるわけがなかった。
簡単に触れ合えてしまったいまは、あの頃には勝てない。

青春は、青春のままにしておけば良かった。

どんよりとした気持ちとは裏腹に、白んだ空は青色に変わっていた。