「……花耶」
耳元で呼ばれる名前の響きも懐かしいのに新しい。
約2年もずっと一緒にいたのに、一度も深く触れ合わなかった。
だけどわたしは、大学生になって初めて付き合った人、つまり礼央くんの次の彼氏と3回目のデートで体を重ねた。
なんだ、こんなもんか。
それが初めてを終えたわたしの感想だった。
守っていたつもりはないけど、何でこんなものを守っていたのか。高校時代のわたしを不思議に思ってしまうくらいあっさりしたものだった。
こんなことならさっさと礼央くんとしておけばよかった、とさえ思った。
それが7年越しに、大好きだった人と重なる熱。
「礼央くん……っ」
あの時に恋焦がれた熱が、いまここにある。
大好きだった。
もう終わりだと思った。
だけど、7年の時を越えてわたしたちは初めてすべてを知ることになった。
そして、あの青い春は本当にかけがえのない大切な時間だったんだと気づいた。
「花耶、好きだよ」
「うん」
「一緒に寝る?」
「うん」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
わたしの言葉を聞いた礼央くんが目を閉じる。
少しして穏やかな顔で寝息をたてはじめた礼央くんの頬を撫でてから、わたしはそっとベッドから出た。
ベッドの下に脱ぎ散らかした服を着て、カバンを持つ。
下駄箱の上に置いてあった鍵を持って部屋を出て、鍵を閉めるとポストに入れた。
アパートの階段を降りて外に出ると、すでに空は白み始めていた。
耳元で呼ばれる名前の響きも懐かしいのに新しい。
約2年もずっと一緒にいたのに、一度も深く触れ合わなかった。
だけどわたしは、大学生になって初めて付き合った人、つまり礼央くんの次の彼氏と3回目のデートで体を重ねた。
なんだ、こんなもんか。
それが初めてを終えたわたしの感想だった。
守っていたつもりはないけど、何でこんなものを守っていたのか。高校時代のわたしを不思議に思ってしまうくらいあっさりしたものだった。
こんなことならさっさと礼央くんとしておけばよかった、とさえ思った。
それが7年越しに、大好きだった人と重なる熱。
「礼央くん……っ」
あの時に恋焦がれた熱が、いまここにある。
大好きだった。
もう終わりだと思った。
だけど、7年の時を越えてわたしたちは初めてすべてを知ることになった。
そして、あの青い春は本当にかけがえのない大切な時間だったんだと気づいた。
「花耶、好きだよ」
「うん」
「一緒に寝る?」
「うん」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
わたしの言葉を聞いた礼央くんが目を閉じる。
少しして穏やかな顔で寝息をたてはじめた礼央くんの頬を撫でてから、わたしはそっとベッドから出た。
ベッドの下に脱ぎ散らかした服を着て、カバンを持つ。
下駄箱の上に置いてあった鍵を持って部屋を出て、鍵を閉めるとポストに入れた。
アパートの階段を降りて外に出ると、すでに空は白み始めていた。