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私と涼介さんは恋愛結婚ではない。
元々、私と涼介さんの祖父同士が古くからの友人で、私が生まれる前にお互いの孫を結婚させようと盛り上がっていたらしい。
おじいちゃんから『澄香には許嫁がいるんだ。だから、もう結婚相手が決まっているんだよ』と物心着いた頃に聞かされていた。
だけど、それはおじいちゃんたちの冗談だと両親も笑って話していたので本気にはしていなかった。
時が経ち、中学生になると初めて好きな人ができた。
私にとっては初恋だった。
誰にも打ち明けることなく、密かに恋心を温めていた。
その人を見るだけで胸がときめき、許嫁という存在をすっかり忘れ、それなりに青春を謳歌していた私にある一報がもたらされた。
両親から『桜庭グループ』の会長、私のおじいちゃんの友人が失くなったと聞かされた。
それだけなら、お悔やみ申し上げますという気持ちだけで終わっていたと思う。
だけど、私の今後の人生を変える遺言書を彼は残していた。
遺言書の中のひとつの項目に、孫の桜庭涼介と蓮川澄香を結婚させるという事が書かれていた。
孫たちの結婚は友人だった蓮川銀次と自分の悲願だと。
遺言を聞いて愕然とした。


