初恋に終わりを告げる夜



私の結婚相手は五歳年上の桜庭涼介。
国内外の建設事業や不動産開発事業など幅広く手掛けている大手総合建設会社、『桜庭グループ』の御曹司。
私は彼のことを涼介さんと呼んでいる。

一週間前から涼介さんと一緒に住み始めた私は、結婚式前日はどう過ごそうかと考えた。
普通に平日だから涼介さんは仕事があるので、昼に実家に行って挨拶を済ませることにした。
そして、夜はというと。
以前、海外ドラマを見て気になっていたバチェロレッテパーティー。

結婚式前日、花嫁が独身最後の夜を女友達と過ごす女子会が欧米で人気らしいということを知った。
楽しそうだからやってみたいなと密かに思っていたので、涼介さんに相談すると『澄香の好きなようにしていいよ』と言ってくれた。
パーティーと名の付くような大げさなものではないけど、気心の知れた女友達と食事をすることにした。
私は友人の中から小学生の頃から付き合いのあった木下志乃と望月由香を食事に誘った。
変に取り繕う必要がない友人二人は仕事終わりに予約していた和食レストランに駆けつけてくれた。
ちなみに、この二人は明日の結婚式にも出席予定だ。

「で、結婚式前夜に花嫁を快く送り出してくれた許嫁は今何しているの?」
「涼介さんも友達と食事に行っているよ」
「へぇ、お互いに友達と過ごしているんだね」
「うん」
 
今、どこかで食事をしているであろう涼介さんのことを思い浮かべた。