初恋に終わりを告げる夜


***

「あのさ、中一の時のクラスで同窓会の話が出ているんだ」
「えっ、そうなの?知らなかった」
「三上が言い出しっぺで俺のところに連絡があったんだ。やろうと思うけど、どう?って」
「中一か。懐かしいね。そういえば、あのリレーのこと覚えてる?」

なんとなく聞いてみた。

「覚えてるよ。澄香がバトンミスして泣きべそかいてたよな」
「ちょっと、泣きべそはかいてないから。でも、あの時の涼太はヤバかったね。ヒーローかって思ったもん」
「だろ。明らかに落ち込んでいる澄香を見たら、俺がなんとかしてやらないとって思ったんだ」
「イケメン過ぎるんですけど」

顔もよし、性格もよしってズル過ぎる。

「で、同窓会の幹事は三上くん?」
「だと思うけど、アイツに押し付けられそうな嫌な予感がしてる」
「ふふ、涼太はクラス委員だし人気者だったからみんなから頼りにされるよね」
「頼りっつうか、いつも面倒ごとを押し付けられている気がするんだが」
「確かに。涼太に任せれば大丈夫っていう雰囲気はあったよね。ことあるごとにみんな涼太に意見を求めてたし」

何をやらせても完璧にこなしていて、先生からも生徒からも頼りにされていた。
生徒会長までやっていて人望が厚かった。
 
「買いかぶりすぎ。俺にも苦手なことだってあるし、そこまで出来た人間じゃない。マジで俺をなんだと思っているんだか……。俺も弱い人間なんだよ。本当に欲しいものは手に入らないし」

そう言って私を見つめる涼太の瞳が切なく揺れているように見えた。