今日は中学三年生になってから初めての登校日である、始業式の日。
いつもより早く目覚めた私は、ゆっくり身支度をした。と言っても、ある程度の準備は昨日の夜にしておいたので、ほとんどやることは無いのだけれど。
髪を一つに束ねて前髪を整えた後、二階に降りると既に朝ご飯はできていた。
「おはよう」
「あっ志帆、おはよう。今日はいつもより早いのね」
「うん。なんか早く目が覚めちゃって」
お母さんと会話をしながら椅子に座った。食卓に並べられた朝ご飯から、いい匂いが漂ってきて、部屋全体を包み込む。
「おはよー」
お兄ちゃんが起きてきたみたいだ。
この前までは春休みのためりょうくんも帰省していたのだけれど、つい昨日帰ってしまった。
「おはよう。もう朝ごはん出来てるわよ」
お母さんがお兄ちゃんに声をかけ、お兄ちゃんは私と反対側の椅子に座った。誰がどこに座るかが決まっているわけではないが、大体いつも同じ席についている。
「いただきます」
うちのあさごはんは平日が米、週末がパンという風に決まっている。理由はお父さんが仕事の日に朝ごはんがパンだとお腹が空いてしまうから。
今日は平日であるため、各々がご飯に好きなふりかけなどをかけて食べ始める。
「お父さんは?」
「今日は早番だからもう出たわよ」
「そっか」
お父さんの仕事は一週間交代で、早番と遅番が入れ替わる。遅番だと私たちが学校に行くよりも遅く仕事に行くが、早番だと私たちが朝ごはんを食べる頃にはもう家にいない。
黙々と朝ごはんを食べすすめていたとき、ともくんが口を開いた。
「志帆ももう中学三年生かあ。高校はどこ受けようと思ってるの?」
ズキっと心が痛んだ。
「まだ考え中」
「そうなんだ」
「はあ」と心の中でため息をつく。ずっとこんな調子だ。行きたい高校なんて一つしかないのに。それを言い出せない。一体私はいつになったら、胸を張ってお兄ちゃんたちの横を歩けるのだろう。それ以前に、そんな日はやって来るのだろうか。
いつもより早く目覚めた私は、ゆっくり身支度をした。と言っても、ある程度の準備は昨日の夜にしておいたので、ほとんどやることは無いのだけれど。
髪を一つに束ねて前髪を整えた後、二階に降りると既に朝ご飯はできていた。
「おはよう」
「あっ志帆、おはよう。今日はいつもより早いのね」
「うん。なんか早く目が覚めちゃって」
お母さんと会話をしながら椅子に座った。食卓に並べられた朝ご飯から、いい匂いが漂ってきて、部屋全体を包み込む。
「おはよー」
お兄ちゃんが起きてきたみたいだ。
この前までは春休みのためりょうくんも帰省していたのだけれど、つい昨日帰ってしまった。
「おはよう。もう朝ごはん出来てるわよ」
お母さんがお兄ちゃんに声をかけ、お兄ちゃんは私と反対側の椅子に座った。誰がどこに座るかが決まっているわけではないが、大体いつも同じ席についている。
「いただきます」
うちのあさごはんは平日が米、週末がパンという風に決まっている。理由はお父さんが仕事の日に朝ごはんがパンだとお腹が空いてしまうから。
今日は平日であるため、各々がご飯に好きなふりかけなどをかけて食べ始める。
「お父さんは?」
「今日は早番だからもう出たわよ」
「そっか」
お父さんの仕事は一週間交代で、早番と遅番が入れ替わる。遅番だと私たちが学校に行くよりも遅く仕事に行くが、早番だと私たちが朝ごはんを食べる頃にはもう家にいない。
黙々と朝ごはんを食べすすめていたとき、ともくんが口を開いた。
「志帆ももう中学三年生かあ。高校はどこ受けようと思ってるの?」
ズキっと心が痛んだ。
「まだ考え中」
「そうなんだ」
「はあ」と心の中でため息をつく。ずっとこんな調子だ。行きたい高校なんて一つしかないのに。それを言い出せない。一体私はいつになったら、胸を張ってお兄ちゃんたちの横を歩けるのだろう。それ以前に、そんな日はやって来るのだろうか。



