高校受験。
それは、自分の進路が決まる大事な局面だ。
そして私には、いきたい高校がある。でも、その高校は私にとって遥か遠くにあり、まだまだ手の届かないものだった。
進級して早々、進路希望調査の紙が配られた。
「高校かあ〜。どうしようかなあ」
お母さんの前では、悩んでいるふりをした。
「志帆はまだ、行きたい高校決まってないの?」
「うん」
私の今の学力を、お母さんは知っている。だから、お兄ちゃんたちと同じ高校に行きたいなんて、堂々とは言えなかった。
「まだ決まってないし、一応お兄ちゃんが通ってる高校書いとこうかな」
その高校に行きたいということを悟られないように、なんでもない感じを装ってお兄ちゃんが行っている高校の名前を紙に書いた。
心の中では決まっているのに、行きたいと言えない。受けたいと言えない。
そんな自分が情けなかった。
そういえば、前にも同じような事があった。
それは、中学三年生になってから初めての始業式の日。
あの日も、今日のような気持ちを覚えてしまった。
それは、自分の進路が決まる大事な局面だ。
そして私には、いきたい高校がある。でも、その高校は私にとって遥か遠くにあり、まだまだ手の届かないものだった。
進級して早々、進路希望調査の紙が配られた。
「高校かあ〜。どうしようかなあ」
お母さんの前では、悩んでいるふりをした。
「志帆はまだ、行きたい高校決まってないの?」
「うん」
私の今の学力を、お母さんは知っている。だから、お兄ちゃんたちと同じ高校に行きたいなんて、堂々とは言えなかった。
「まだ決まってないし、一応お兄ちゃんが通ってる高校書いとこうかな」
その高校に行きたいということを悟られないように、なんでもない感じを装ってお兄ちゃんが行っている高校の名前を紙に書いた。
心の中では決まっているのに、行きたいと言えない。受けたいと言えない。
そんな自分が情けなかった。
そういえば、前にも同じような事があった。
それは、中学三年生になってから初めての始業式の日。
あの日も、今日のような気持ちを覚えてしまった。



