暗闇の中、君が私の光だった

「ああ、今年から6色になったから紫も入ったのか」
「そうそう」
「いいなあ〜、俺も紫が良かった」
「うちのクラスも紫がいいって思ってた人多かったみたいで、みんな喜んでた」
優音と話したように、団長がふざけていたと言う話を家族にもした。
お父さんも、お母さんも、ともくんも笑ってくれて、嬉しい気持ちになったが、なんだか自分が心から笑えているとは思えなかった。
いつからだろう。
分からないけれど、いつからか私と家族の間に境界線が引かれていて、自分だけ少し違う世界にいるような、そんな気がしてしまう。
お父さんやお母さんが悪いわけでもなく、お兄ちゃんたちが悪いわけでもない。きっと、私が弱いせいだ。

「ご馳走様」
私はみんなよりもひと足先に夕食を食べ終え、自分の部屋へ戻ろうとした。
しかし、玄関にスマホを忘れていたことに気づき、取りに行った後、自分の部屋へ戻ろうとリビングの前を通ろうとした時、何やら深刻そうに話す家族の声が聞こえてきた。
「志帆はどこの高校を受けたいのかしら。この前聞いた時はまだ決めてないって言っていたけど、本当にそうなのかな」
「気になるけど、あまりグイグイ聞けないしな」
私の進路に関して、お母さんもお父さんも悩んでいる様子だった。
「もしかしたら志帆、プレッシャー感じてるかもしれないな。りょうくんも俺も、ここらじゃ一番偏差値が高い高校に進学したから」
「うん、そうかもしれないわね」
やはり家族は私の進路を気にしていたんだな。
みんなが言うように、私はプレッシャーを感じている。
「お兄ちゃんたちと同じ高校に行きなさい」と言われているわけでも、「もっと勉強を頑張りなさい」と言われているわけでもないけれど、勝手にプレッシャーを感じてしまっている。
どうしよう。
確かに、お兄ちゃんたちに負けたくないと言う気持ちはある。
でも、お兄ちゃんたちがいなかったら私はどうしていただろう。
K高を目指していただろうか。もしかしたら、行きたいとすら思わなかったかもしれない。
本当は他に行きたい高校が見つかっていたんじゃないだろうか。
お兄ちゃんたちに流されて進路を決めているんじゃないかと感じている自分もいて、このままK高を目指していていいのかわからなくなってしまった。