暗闇の中、君が私の光だった

「ただいまー」
「おかえり、志帆」
お母さんが笑顔で迎えてくれた。だからその笑顔に応えるように、私も笑った。
「あっ志帆、夕食の前にお風呂入る?」
二階にある自分の部屋へ向かおうと階段を登ろうとした時、お母さんが慌てて聞いてきた。
「うん、そうする」
「わかった。今お風呂沸かすね」
「ありがとう」

チャプッ。
お風呂は落ち着く。
湯船に浸かるとすごく温まるし、一人になれるから。
最近は家族と過ごす時間が苦しいと感じる瞬間がある。
悩んでいる自分を見せまいと、笑顔を張り付け明るく取り繕うようになった。
でもそうするとどうしても疲れてしまう。
「私、どうすればいいんだろう」
そう呟いてみるけれど、もちろんその答えが返ってくることはない。
「お兄ちゃんも入るだろうし、そろそろ出よう」
一人になる時間で心の充電をし、家族と顔を合わせればまた、笑顔を見せる。
その繰り返しだ。


「「いただきます」」
家族で食卓を囲み、夜ご飯を食べ始めた。
今日は私の好きな煮込みハンバーグをお母さんが作ってくれたため、いつもよりはテンションが上がっている。
そんな中、ともくんが私に尋ねてきた。
「確か体育祭って6月の初めにあったよなあ?ブロック決めはもうやったのか?」
「うん。今日やったよ」
「何ブロックだった?」
「紫だよ」