私は転職して、凛くんと同じ会社に入った。
奇跡的に同じ部署で、バリバリ働く凛くんは私の教育係になった。
「二人って友達なんだっけ?」
凛くんの同期である男の人が、資料を渡すついでにそう聞いてきた。頷く私とは別に、凛くんは笑って答えた。
「いや、俺の長年の片思いの相手。狙うなよ」
その意地悪な笑顔に、胸の鼓動が早くなる。
きっと、良くんに幸せだと伝えられるまで、そう長くないんだろうなと、受け取った資料で顔を隠しながら思った。