『生』とは、たくさんの読み方があるのに対し、『死』はひとつの読みしか持っていないらしい。
単純でいいなと思うのは、光に満ちる『生』よりも、暗くてどん底な『死』の世界に憧れているからだろうか。
「別れよう。他に好きな人ができたんだ」
何度も反芻される大好きな良くんの最後の言葉に、きっとバチが当たったのだと絶望する。
イルミネーションが綺麗な、クリスマスの前夜のことだった。