小学生の頃、私はちゃんと恋していた。その人を想い、盲目だった。いつからだろう恋が出来なくなったのは。多分、多分だけど、あの頃からかも知れない。

 中学に入った途端、私達を襲ったのはコロナだった。長い長い休校期間。全員のクラスメイトに会ったのは、7月だった。久々にまともに会う大勢の人。私は怖くなってしまった。壁を作り孤独を望むような生活を送っていた。

 月日は流れ、高校生になった。人への恐怖は薄れた。けれど根本の深く深くには、まだ恐怖が棲みついていた。反動か否かは分からないが、愛を欲っしていた。が、盲目になるのは怖い。愛せない。どうしても心にブレーキを掛けてしまう。そんな時だ。あの恋みくじを引いたのは。