「ん…あれ……」
いつの間にか眠ってしまっていた俺は、フロントからのうるさいコールの音で目が覚めた。
あの後、幸さんとカラオケボックスに行って…俺は感情を爆発させて泣きじゃくる幸さんの、背中をさする事くらいしか出来なかった。
幸さんが落ち着いてから、食べて飲んで、幸さんが歌を唄い始めたところまでは憶えている…。
「はい…」
とりあえず、鳴り止まないコールに出ると、
「お連れ様から、先に帰ると伝言をお預かりしていましたので…」
という事だった。
俺は、「ありがとうございます」とお礼を言ってから切り、すぐに部屋を出ようとした。
もしかしたらまだ死のうとか考えているかもしれないと思ったら、不安になった。
幸さんが居なくなって、どれくらいの時間が過ぎたんだ……。
慌てて立ち上がった瞬間、テーブルから何かがひらりと落ちるのが視界に入って、俺は足を止めた。
「幸さん…」
俺はスマホを片手に、綺麗な月の下を歩いていた。
何回かのコールの後、
「はい…」
聞きたかった声が、俺の中に届いた。
「幸さん…?」
「うん」
幸さんの声は、穏やかだった。
「あの、番号…ありがとうございます」
「ううん。私の方こそありがとう」
「それと、お金も。今度、お礼させてください…!」
俺が会計をしようとフロントへ行ったら、既に幸さんが済ませてくれていた。
俺ってかっこ悪すぎ…。
「いいよ…君に助けられたから」
「…」
"君に助けられたから"
俺の中の何かが、とくんと鳴った。
「お、俺、悠太っていいます!今年23歳になります。幸さんに、また会いたいと…思ってます!」
俺はきっと幸さんの事を、好きになるーーーそう確信していた。
もしかしたら、もう好きになっているのかもしれない。
だから、幸さんが残してくれたメモを見て、すぐに電話したんだ。
「うん…私も」
そして、2度目の奇跡が起きたーーー。
いつの間にか眠ってしまっていた俺は、フロントからのうるさいコールの音で目が覚めた。
あの後、幸さんとカラオケボックスに行って…俺は感情を爆発させて泣きじゃくる幸さんの、背中をさする事くらいしか出来なかった。
幸さんが落ち着いてから、食べて飲んで、幸さんが歌を唄い始めたところまでは憶えている…。
「はい…」
とりあえず、鳴り止まないコールに出ると、
「お連れ様から、先に帰ると伝言をお預かりしていましたので…」
という事だった。
俺は、「ありがとうございます」とお礼を言ってから切り、すぐに部屋を出ようとした。
もしかしたらまだ死のうとか考えているかもしれないと思ったら、不安になった。
幸さんが居なくなって、どれくらいの時間が過ぎたんだ……。
慌てて立ち上がった瞬間、テーブルから何かがひらりと落ちるのが視界に入って、俺は足を止めた。
「幸さん…」
俺はスマホを片手に、綺麗な月の下を歩いていた。
何回かのコールの後、
「はい…」
聞きたかった声が、俺の中に届いた。
「幸さん…?」
「うん」
幸さんの声は、穏やかだった。
「あの、番号…ありがとうございます」
「ううん。私の方こそありがとう」
「それと、お金も。今度、お礼させてください…!」
俺が会計をしようとフロントへ行ったら、既に幸さんが済ませてくれていた。
俺ってかっこ悪すぎ…。
「いいよ…君に助けられたから」
「…」
"君に助けられたから"
俺の中の何かが、とくんと鳴った。
「お、俺、悠太っていいます!今年23歳になります。幸さんに、また会いたいと…思ってます!」
俺はきっと幸さんの事を、好きになるーーーそう確信していた。
もしかしたら、もう好きになっているのかもしれない。
だから、幸さんが残してくれたメモを見て、すぐに電話したんだ。
「うん…私も」
そして、2度目の奇跡が起きたーーー。