「そもそも奉納祭は、学期ごとに趣向が違うってのは知ってるよな!」

「うん。一学期が詞表現実習で習ったこととか運動系ので成果発表で、二学期が雅楽とか舞の文化系の発表なんだよね?」


初めて奉納祭の存在を教えてもらった時に、一学期が体育祭で二学期が文化祭みたいな感じなんだなと思ったのをよく覚えている。

二学期の奉納祭はクラスや部活動ごとの発表もあって、中学の時の文化祭とよく似ていた。


「そ! 巫寿が言う通り、一学期の奉納祭は体を使って競い合う競技がメインなわけ! 例えば鎮火祝詞(ひしずめのりと)で怪火の鎮火スピードを競い合ったり、文鳥を目的地までどれだけ正確に早く飛ばせるか競い合ったり!」


普通の体育祭では絶対に聞かないような種目にへぇと目を丸くした。


「でもやっぱりメインは後頭部の全生徒が出る模擬修祓(もぎしゅばつ)だな!」

「あれは毎年盛り上がるよなぁ」


模擬修祓?と聞き返す。

よくぞ聞いてくれましたとばかりに慶賀くんがまた立ち上がって嬉々として教えてくれた。

模擬修祓とは名前の通り実践を想定した修祓のことで、神修の教員によってフィールド上に用意された残穢や呪いを習った知識で祓っていく個人競技らしい。