あなたが卒業しても、私が社会人になっても。忘れられなかった。
結局、引きずるんだ、初恋は。
大学を卒業してすぐ、あなたは結婚式を挙げた。サークルはあれを期に辞めたけど、自然と目で追い、なぜか耳に入ってくる情報であの報告が嘘じゃないと、また私を苦しめた。
事情を知らない友達が見せてくれた写真の中で笑顔を浮かべるあなたは、私が見てきた中で一番輝いていて、隣の彼女もすごく綺麗で。悔しいけど、本当にお似合いだと思った。
もう二年。前に進むには、もう十分な時を過ごした。
『遅くなりましたが、ご結婚おめでとうございます』
久しぶりに開いたトークルームに、それだけ送って画面を閉じる。未だに好きな気持ちはあるけれど、認めてしまった寂しさで涙が流れるけど。一度も名前を呼びあったことのないあなたとの関係は、思い出の中でも特別で。
そう思えただけでも、少しだけ、この先に明るい光が差したような気がしたんだ。