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 数分後、二人を含めた会員たちは、コートの端で円になった。集合を掛けた人物は、なんとダン校長だった。
 締まった表情のダンは、試合が近いので集中して練習せよ、怪我だけはしないように気を付けろなど、現代日本の運動部の顧問もしそうな指示を出した。
 唐突に、ダンの言葉が途切れた。すると会員たちは、胸の前に丸めた右手を遣って、瞼を閉じた。桐畑も、慌てて真似をする。
「天に在す、森羅万象の(the Grand)偉大なる(Creator of)創造者(the World)よ。今日も神聖なるフットボールにて汝の威光が降り注ぎ、我らに霊的啓発を促さんことを」
 ダンの厳かな声の後に静寂が訪れ、桐畑の意識は、わずかに聞こえる風の音に集まる。
 かさ、と物音がして、桐畑は目を開けた。
「では、練習を開始する。広がって、準備体操に移れ」
「「はい(Yes sir)」」軍隊を思わせる返事の後に、会員はダッシュでコートの中央へと移動した。