『みらい成長プロジェクト』を運営本部のために用意された特別室が、何者かによって使い物にならなくなったらしい。

 ある日、出勤してきた試験官のひとりがいつものように入ろうとすると、室内のあまりにもひどい有り様に絶句した。机は真上から何かが落ちてきたのかのように大きく歪み、データをまとめていたノートパソコンは真っ二つに叩き割られていた。紙の資料は破かれ、床に散乱する中、気を失っていた試験官に何があったのか問いただすと、自分が今までしてきた『みらい成長プロジェクト』の運営の不正をさも当然のように熱弁し、「俺は被害者だ!!」と訴えたそうだ。
 騒ぎを聞きつけた教員にも同じように話していたところ、学校長が登場。

「あなたには、聞かなければならないことが十分あるようですね」

 にっこり笑みを浮かべる学校長を前に、試験官の顔色は真っ青に変わり、されるがまま校長室に連行されていった。