クラスのスター。
 それが彼の第一印象だった。
 入学式後で、先生がいない教室。みんなが言葉に表せないいろいろな不安を抱えている中、彼が一番初めに喋り始めた。そこからどんどん話す人が増えていき、笑い声も聞こえてきた。その中心が――鷹月 光惺(たかつき こうせい)
 すぐに私の違う世界の部類の人だな、と思った。私と対照的だから関わることもない。彼らは陽の当たるところで、私たちはその影で、それぞれ楽しく学校生活を送れると良い。
 ――そう思っていたのだけど。