「お帰りなさぁい」//怒りを抑えた感じで

「え? 別に怒ってないよ。ご飯、作ってあるから」

「ちょっと失敗しちゃったんだけど……いいよね?」

「せっかく作ったんだもん。食べてくれるよね? ほら、あーん」

「あーーん」//圧をかける感じで

「ふふ、美味しい?」

美味しい、と答える主人公。

「……ふぅん。普通に言ってくれるんだ」

「別にいいよぉ? 気を遣わなくても。美味しくないなら、残したって」

//SE がつがつと食べる音

「ちょ、ちょっと。そんなに無理して食べなくていいってば」

「……ごめん。本当は、ちゃんとしたやつも作ってある」

「……こっちも、食べてくれる?」//窺うように

勿論、と答える主人公。ぱぁっと明るい顔をするヒロイン。

「……!(//喜んで) えへへ、ありがと」

「ところでさぁ……その、ちょっと、聞きたいことがあって」

「今日さぁ……街で、女の子と一緒にいたでしょ」

「あれ……誰?」//ちょっと不穏な感じで

「うん、別にね、いいんだよぉ? 大学生だもんね。女の子と遊んだりするだろうし……。彼女、とか」

「でも、でもね。ほら、私は、おばさんから君のこと任されてるし? 彼女とかはさ、やっぱり私に一言断るべきって言うか、紹介するべきって言うか? 変な女かもしれないし、そこは年上の女として、見定めないといけないし?」//取り繕うように早口で

「……は? カノジョ?」//カタコトで

「かのじょ……彼女……? ほんとに? どこでそんな悪い虫が……。やっぱり大学までつけていって見張るべきだったか……。でもそこまでしたらさすがに不審がられるかもしれないし、私も仕事あるし……。いやでも、仕事なんかより、泥棒猫を退治する方がずっと大事よね……」//ぶつぶつと小声で、独り言

//SE とんとん、と肩を叩く音

「……!(//はっとして) ごめんね、ちょっと考え事しちゃって……。え、なに? ……勘違い?」

「君の彼女じゃなくて、友達の彼女? 友達も一緒だったの? たまたま私が見た時、いなかっただけ?」

「な、なんだぁ~~!」//盛大にほっとして

「君の彼女だったら、どうしてやろうかと……んん!(//咳払い) どうしようかと思ったぁ」

「そうだよねぇ、君に彼女はまだ早いよ。だって、まだ一年生でしょ? 勉強を優先しなくちゃ」

「今は学業に専念できるように、ちゃぁんと私がお世話してあげるから」

「……ね?」//小悪魔的に