それなりの有名な大学を出た私が就職したのはいわゆるブラック企業だった。

 朝早くから仕事しても残業があるのは当たり前。

 土日を返上しないと終わらない仕事。

 一言で表すなら、そう、社畜である。

 デジタル時計が二十三時を知らせたが、私の机の上に置かれている書類は一向に消えない。

 こりゃあ、今日も家に帰れないかな......。

 あ、まずい、眠くなってきた。

 理由は分かる。三日間ほぼ寝ていなかったから。

 でも、このまま寝たら仕事が終わらない!

 何とか意識を保とうとするけど段々と視界がぼやけてきた。

 あれ?いつもこんな感じだっけ?なんか体が重いし、視界が真っ暗になってきた......。

 私、死ぬの?

 あーあ、死ぬ前に今日発売の戦国雑誌読みたかったな......。

後、来世は戦国時代が良いな......。

私は一つの後悔と一つの願いを持ちながら、暗闇に呑まれていった。