「ねえねえ、香織は好きな人はいるの?」

そう、瑠花に聞かれる、私は、

 「いないよ」
 
っと答えるが、瑠花は
 
「本当に??」
 
そんなこと言われたら、本当のことを言うしかないでしょ。

「本当は、いる……」
「えっ!マジ、誰教えて!」
「ええっと……凌馬だよ……」

初めて、友達に自分の好きな人を、言った日だった。

「私、応援する!」

っと、瑠花に言われた、少し心がもやっとしたが、「ありがとう」としか、言えなかった。

「っ!」

今、目があったよね、恥ずかしい。

「どうかした?」

っと聞かれたが、

「なんでもないよ。」
「そっか」

そう言ったあと、話題が変わり、授業が始まるチャイムがなった。

「次は、体育でホークダンスだよね……」

っと、瑠花が、言った。

「えっ!マジ、ホークダンスなの?」
「うん、そうみたい。」
「好きな人と踊りたい!」

と、瑠花が、言った。瑠花って、好きな人がいるんだ……。誰だかすごい気になる。
「えっ!好きな人いるの?」
「うん。」
「誰だか、あとで教えて。」
「えっ……」

瑠花は、少し嫌な顔をしたが、渋々OKしてくれた。

そして、体育の授業が始まった。

「……ペアになってくれる、男子を探さなきゃ」

でも、好きな人と組みたいけど、それほど仲がいい訳でもないし。
 困ったなぁっと、思っていたが。

「ねえ、僕と一緒にやらない?」

っと、声をかけられた。

「うん!いいよ!」

と、答えるとその顔を、見ると、私はつい驚いてしまった。
 
その、誘ってくれた人は、凌馬だった。

「えっ。」

私の、顔は真っ赤に、なっていないだろうか。

「でも、急にどうしたの……?」

と、聞くと、凌馬は、

「ゲームに、負けて…その、罰ゲーム」
「その罰ゲームって、どうゆうの?」
「ええっと、好きな人と、ホークダンスを、踊るっていう……」

すごい、凌馬の顔が真っ赤だ……

「えっ!」
「それって、私のことが、好きなの?」

多分、私の顔も、凄く真っ赤だと思う。

「やっぱ、今の嘘、全部忘れて!」

慌てながら、凌馬が言う、こんな慌てている姿をみるのは、初めてだ。

それから、時間がどんどん過ぎていき、体育の授業は、終わってしまった。