僕、好きな人に思いを伝えるのに資格なんていらないと思います。だって今からゆき先輩に伝えようとしている言葉だって、あの感じからすると資格なんてないかもしれないから。でも、思いを伝えるのは一歩踏み出すためだとも思ってて、ゆき先輩にもそう思ってほしいんです。
僕、隠していたことが三つあって、
一つ目は、初めて認識してもらえたあの始業式の日に、ゆき先輩にキスしました。
あまりにも寝顔が綺麗で、愛おしかったから。
でも、僕は幽霊なので、カウントしなくて大丈夫です。
二つ目は、あの手紙、ゆき先輩のカバンの中にまだ入っている手紙、あれ、僕からの呼び出しです。
事故に遭って、呼び出すだけ呼び出しておいて、結局行けなくてごめんなさい。
そして三つ目。僕はゆき先輩が好きです。その手紙も、ゆき先輩に告白するための、呼び出しの手紙なんです。
どうしても好きだと伝えたくて、もう好きという気持ちが限界突破してしまいそうで、溢れてしまいそうで。
好きだと伝えるために、呼び出しました。
今まで話してきた、僕の好きな人はゆき先輩です。
覚えているかと思って、色々探りを入れてみたりしたんですけど、覚えてなかったですね。
でも、僕、今全然伝えて後悔してないです。
なので、ゆき先輩にも後悔してほしくないので、好きな人に思いを伝えてください。その資格なんて、誰もが持っているんです。幽霊にだって伝えられるんだから、ゆき先輩にも伝える資格はあります。
だから、後悔しないためにも、伝えてほしいです。
僕が今、そうしているように。
その言葉が、録音テープを再生するみたいに何度も私の耳の奥で流れていた。
伝えてよかったよ。本当に資格なんていらないんだなって、ちゃんとわかった。後悔なんてこれっぽっちもしていない。
私は慶汰くんに出会って、変われた。世界が明るくなった。前を向けた。
素敵な人の周りには、素敵な人がたくさんいることがわかった。
類は友を呼ぶと言うけど、本当だね。
ねぇ、慶汰くん。
私はあなたに会えて、今、とても幸せです。
大切な友達がいます。
大切な幼なじみがいます。
大切な初恋の人がいます。
まだ、新しい恋には向かえないけど、もしあの日、慶汰くんに出会えなかったら、今もきっと、あのときのまま立ち止まっていた。
本当に感謝しています。
目を開けると、青い空が一面に広がっていた。光がキラキラ輝いて、そこに慶汰くんが立っているように見えた。
「また、会いに来るね」
桜を花瓶に挿して、私は慶汰くんの墓に背を向けた。
春になったぽかぽか陽気の中を、私は今日も前を向いて歩いた。
僕、隠していたことが三つあって、
一つ目は、初めて認識してもらえたあの始業式の日に、ゆき先輩にキスしました。
あまりにも寝顔が綺麗で、愛おしかったから。
でも、僕は幽霊なので、カウントしなくて大丈夫です。
二つ目は、あの手紙、ゆき先輩のカバンの中にまだ入っている手紙、あれ、僕からの呼び出しです。
事故に遭って、呼び出すだけ呼び出しておいて、結局行けなくてごめんなさい。
そして三つ目。僕はゆき先輩が好きです。その手紙も、ゆき先輩に告白するための、呼び出しの手紙なんです。
どうしても好きだと伝えたくて、もう好きという気持ちが限界突破してしまいそうで、溢れてしまいそうで。
好きだと伝えるために、呼び出しました。
今まで話してきた、僕の好きな人はゆき先輩です。
覚えているかと思って、色々探りを入れてみたりしたんですけど、覚えてなかったですね。
でも、僕、今全然伝えて後悔してないです。
なので、ゆき先輩にも後悔してほしくないので、好きな人に思いを伝えてください。その資格なんて、誰もが持っているんです。幽霊にだって伝えられるんだから、ゆき先輩にも伝える資格はあります。
だから、後悔しないためにも、伝えてほしいです。
僕が今、そうしているように。
その言葉が、録音テープを再生するみたいに何度も私の耳の奥で流れていた。
伝えてよかったよ。本当に資格なんていらないんだなって、ちゃんとわかった。後悔なんてこれっぽっちもしていない。
私は慶汰くんに出会って、変われた。世界が明るくなった。前を向けた。
素敵な人の周りには、素敵な人がたくさんいることがわかった。
類は友を呼ぶと言うけど、本当だね。
ねぇ、慶汰くん。
私はあなたに会えて、今、とても幸せです。
大切な友達がいます。
大切な幼なじみがいます。
大切な初恋の人がいます。
まだ、新しい恋には向かえないけど、もしあの日、慶汰くんに出会えなかったら、今もきっと、あのときのまま立ち止まっていた。
本当に感謝しています。
目を開けると、青い空が一面に広がっていた。光がキラキラ輝いて、そこに慶汰くんが立っているように見えた。
「また、会いに来るね」
桜を花瓶に挿して、私は慶汰くんの墓に背を向けた。
春になったぽかぽか陽気の中を、私は今日も前を向いて歩いた。