君は覚えているか分からない。
でも、あの日の約束は私にとって、生きがいのようなものになってたんだよ。
「純連、やくそく!」
無邪気な笑顔で琉生(るい)が話しかけてくる。
「なあに?」
「俺達で絶対百個夢叶えよ!二人で五十個ずつね!」
結局、五十個も見つからなくて十個ぐらい紙に書いて、近所の公園に埋めたのを最近思い出した。
けれど、私は琉生には言わないつもりだ。
だって琉生に言ったら、「掘り起こして見てみよう」というに決まっているから。
私も見たくないわけではない。でも、琉生と二人で見るくらいなら見たくはない。
なにか変なことがかいてあるかもしれないから。

 私は幼い頃から琉生のことが好きだった。
今もその気持ちは変わらないけれど、やっぱり今の関係で十分だなって思ってる自分と、付き合いたいなって思ってる自分がいる。
でも、告白して関係を崩すよりは今の関係のほうがマシなのかもしれない。
それに琉生はモテるから私なんかよりも、もっといい人がいるかも知れない。
そう考えると私はまた、自分の本当の思いに蓋をしてしまう。
昔からのくせだ。
____ピピピッ__。
朝のアラームが鳴る。
それと同時にスマホが鳴る。
琉生からだ。
『おはよう!今日も学校がんばろーな!』
朝から元気だなと思いつつも、そんな彼が可愛いと思ってしまう。
今日も私は変わらず彼のことが大好きだ。