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 翌日の四時間目は、クラスの懇親を深めるためのホームルーム活動だった。競技はサッカー。せっかくと皇樹秀という男女高校サッカーの雄がいるんだからと、お調子乗り(断じて俺じゃあないよ)の鶴の一声がそのまま通った形だった。
「授業だろうが何だろうが、サッカーはサッカー。私は手を抜くつもりはない。やるからには絶対に勝つわよ」
 自分を取り囲むチームメイトに、未奈ちゃんは凜々しい様で勝利宣言をした。
「おう、あったりまえじゃんかよ」と俺は力強く即答する。
「……ったく、つくづく私って運がないわね。六分の一の確率で、最大のババこと星芝桔平を引き当てちゃうんだもの」
 はあーっと溜め息でも吐きたげな面持ちで、未奈ちゃんが不満を吐露した。
 そう、俺は未奈ちゃんと同じチームだ。厳正なるくじ引きからのあれこれの結果である。
「向こうには最強のラスボス、スメラーギもいるけど、きっと大丈夫。俺と未奈ちゃんとでなんとかするからさ」
「……そうね。素人に相手させるわけにはいかないしね。今回だけはあんたに同意するわ」
 静かな調子で未奈ちゃんが答えた。先生から声が掛かり、俺たちはコートへと歩き始めた。