高校一年生の五月。私は君にさようならを告げた。戻ることのない永遠の別れを。
きっかけはほんの些細なことだった。「テストの点数が良かったから」そんな理由で突然、無視されたり仲間外れにされ始めた。今思えば本当に些細なことだし、私自身「くだらない」そう思っていた。
でも、その行為は確実に私を壊していった。毎日、無視されて誰とも会話をしなくなったのは1ヶ月も経っていない頃だった。偶然、物静かな女の子に出会うことができお弁当も三人で食べるようになった。でも、傷つけられた心は癒えない。それに私はもっと大きなものを背負った。それはトラウマだ。フレンドリーな性格を生かして話しかけて、仲良くなれたのに裏切られた。それはわたしにとって大きなトラウマになった。そんな生活が続いた二月のある日。
「一緒にご飯いい?」
そう話しかけて来たのはあの時私を見捨てた子だった。無視をしていじめだのなんだの騒がれてもめんどくさかったから私は、「どうぞ」といった。今思えばこれがもう一つのきっかけを作ってしまったのかもしれない。
そしてそれからしばらくして、だんだんとその女の子と半年以上お弁当を一緒に食べてくれてる子たちと食べ始めた。
そして、ある日
「ねえ、朝一緒に学校行かない?」
そう言って私は一緒に行き始めた。
そして、時は飛び四月。私は理系に進んで、他の子は文系に進みクラスは完全に離れてしまった。それでも一緒にお昼を食べたし、一緒に帰ったりした。クラス替えから一週間が経った。
4月11日
事件は起こった。それも私とその子の仲を悪くし後に縁を切るきっかけになった最悪な事件が。
お昼休み。いつも通り会話をしながら、学食に向かった。そして、全員がお昼を食べ終えた。
突然の出来事だった。
「友達ができたから、その子たちとお昼食べるから明日からお昼別にして」
そんな感じだった。私はその場の空気を凍り付かせる訳にもいかなかったから精一杯の笑顔で
「わかった!」と答えた。
でも、私の心は傷ついた。私は去年のトラウマもあって新しいクラスには馴染めず1人も話せる人がクラスにいなかった。
そんな私に追い打ちをかけるかのように出た、友人の発言。
悲しかった。でも、それよりも強かったのは「恨み」、「憎しみ」とかの負の感情だった。
「裏切り者」
そんな言葉が頭の中に反芻した。
「許せない」
その一言しかなかった。
次の日、いつも通り一緒に学校に行った。着くまでの間は今までの会話が嘘かのように気まずかった。
その空気を感じ取れないのわからないけど何事もなかったかのように話かけてくることに苛立ちを覚えた。
でも、その日の夜ラインで縁を切られた。「裏切り者っていうくらい腹立ってたんでしょ?」その言葉と共に友情関係は終わりを迎えた。
この子は私が思ってたことを汲み取れたんだと思った。
でも、確かに一時的に苛立ちを覚えた。だけど、今は悲しみが強い。
一年前のことを忘れたかのように振る舞っていたのは友人の方なのに。なに事もなかったかのように私に話しかけてきたのは友人側なのに。なんで私が怒られたのかわからなかった。
でも、その子が忘れても、私は覚えている。
1年前のあの日。私の元友人は
「フレンドリーで優しいね。その性格高校でも変わらないでね。貴方が変わってしまった時は何があったか教えてね。高校が離れてもずっと大好き。」
こう言ってくれた私の大切な人の言葉を踏み躙った。そして、フレンドリーな性格だった私を殺して今の私を作りあげた。
静かで、友達も居なくていつでも本を読んでる私を作り上げた。
その子はあの日までの私をもう二度と戻って来られないようにズタズタにして、殺した。
私は、昔の私は殺された。
あの日、私は昔の私に永遠のさようならを告げた。
もう二度と帰ってこない事を察して。
ごめんね。大好きな親友ちゃん。私、変わっちゃった。あなたが褒めてくれた私はもういないの。優しいかもしれない。だけどフレンドリーな性格の私はどっかに行った。誰も知らない遠くに。