私と先輩が、出会ってから、数日が経った。あの、人気者の先輩と2人きりになったとは、口が裂けても言えない。
「千夏〜!次、体育だよ。着替えに行こ」
「はーい、遥、今行くから、ちょっと待ってー」
慌てて、用意をして教室を出る。
「千夏、最近なんかいいことあった?」
正直ぎくっとした。
遥はいつも感がいい。それで助かることもあるけれど、今日はちょっと気まずい。
「ん?なんもないけど?どうして?」
心苦しいが、嘘をつく。
「ふーん。ならいいけど。嬉しそうな顔してたのにな〜」
まだ納得していないみたいだったが、とりあえずはぐらかせたことに安堵する。
そこで授業5分前の予鈴がなった。
「ほら、早くしないと遅刻するよ。体育の先生、遅れたら怖いんだから。」