5月27日     久保田涼

それから、僕たちが仲良くなるのには時間はかからなかった。お互いにたくさん話して、たくさん笑い合って、楽しい日々を送っていた。
瑞希が、時折寂しそうな顔を見せることがあったが、その話題にはなっていない。



瑞希がこっちを見つめてくる。あぁ、懐かしい感じがする。
「どうした?なんかある?」

「いや、、すごく髪きれいだなぁと思って。」
初めてそんなこと人に言われた。
普通の顔してそんな事言うから、本当に照れてしまう。その顔を見せたくなくて、顔を背けると、
「あえ、なんかごめん、」
と言われた。別に瑞希が悪いとかでは全くないんだけれど。
「ううん、全然。むしろ、、、ちょっと、、、嬉しい、、」
隣を見ると、薔薇のように真っ赤な顔があった。

あぁ、こんなときがいつまでも続けばいいのに。
一緒にいるだけでいいのに。それだけで十分なのに。それ以上は何も望まないのに。
叶わない夢を僕は、真っ青な空を見ながらそう思った


しあわせな時間はどんどん過ぎてゆく。あっという間に。瑞希と過ごすあっという間の時間は、僕にとっては、かけがえのない時間だ。大切で、ずっと握りしめていたい。

そう思うのは、、、
僕が瑞希のことが好きだからなのだろうか。たぶんそうだと思う。いや、思うじゃない。そうだ。


―――一目惚れだった。
ぎこちない不器用な笑顔を浮かべる君を見ると、なぜだか心の底からしあわせな気持ちになった。

だから今度は
君をしあわせにしたい。ずっとずっと笑顔でいてほしい。もっと2人で色々な表情を作っていきたい。



なんて、、

無理に決まっているのに







この人に、最後まで隣にいてほしい。
この人にだけは、僕の秘密を知っていてほしい。
この人と、これから愛し合っていけたら、どんなに幸せだろうか。
この人なら僕の希望の光になってくれるかもしれない。










いつか、僕の秘密を打ち明けようと決心した―――。