私は、2つ年上の先輩のことが好きだ。
先月中学校を卒業して、明日には高校の入学式を控えている。
中3の春が終わろうとしている頃、私は高校選びに悩んでいた。元々勉強は人並みに出来たけれど、特技もなく、やりたいことが見つからなかったからだ。
そんなとき、両親が候補にあげていたうちの1つの高校が文化祭を行うことを知って、行ってみることにした。
そこで、出会ってしまった。
文化祭の来客受付は、すごく顔の整った人が担当していた。一瞬で目を奪われた。いわゆる、一目惚れというものだと思う。私は上手く言葉を発せなくて、受付後これだけはと言わんばかりに、その先輩が付けている名札に目をやった。"2-A 櫻田" 2年生の、櫻田先輩…。
校舎に入るまでの道、私は何度も振り返って 混雑した受付で忙しそうにしている先輩を見ていた。
受付で貰った校舎案内を見ながら、2ーAの教室を目指した。教室を見つけて覗いてみると、中はかなり静かだった。私の視線が気になったのか、教室の手前の方にいた、A組と書かれた名札をつけている女性の先輩が、手招きでこちらを呼んでいるように見える。
おそるおそる入ると、空気が変わったような気がした。静かで、でもどこか迫力を感じるような空気に。見渡すと、そこには沢山の写真が展示してあった。小さな生き物から、壮大な景色まで、様々な写真が。
私も写真を見て回っていると、ふと1枚の写真が目に入った。何の変哲もない教室の写真。机や掲示を見る限り、おそらくこの教室の写真だと思う。
誰もいない教室。窓からは青い空が見えて、教室に光が差し込んでいる。ただ純粋に、綺麗だと思った。
この写真をもっと見ていたい、どんな人が撮ったのか、色々な感情が頭を巡る中、写真の下に、人の名前が掲示してあることに気がついた。
「櫻田…隼人…?」受付の先輩のことだ。下の名前、隼人さんって言うんだ。
先月中学校を卒業して、明日には高校の入学式を控えている。
中3の春が終わろうとしている頃、私は高校選びに悩んでいた。元々勉強は人並みに出来たけれど、特技もなく、やりたいことが見つからなかったからだ。
そんなとき、両親が候補にあげていたうちの1つの高校が文化祭を行うことを知って、行ってみることにした。
そこで、出会ってしまった。
文化祭の来客受付は、すごく顔の整った人が担当していた。一瞬で目を奪われた。いわゆる、一目惚れというものだと思う。私は上手く言葉を発せなくて、受付後これだけはと言わんばかりに、その先輩が付けている名札に目をやった。"2-A 櫻田" 2年生の、櫻田先輩…。
校舎に入るまでの道、私は何度も振り返って 混雑した受付で忙しそうにしている先輩を見ていた。
受付で貰った校舎案内を見ながら、2ーAの教室を目指した。教室を見つけて覗いてみると、中はかなり静かだった。私の視線が気になったのか、教室の手前の方にいた、A組と書かれた名札をつけている女性の先輩が、手招きでこちらを呼んでいるように見える。
おそるおそる入ると、空気が変わったような気がした。静かで、でもどこか迫力を感じるような空気に。見渡すと、そこには沢山の写真が展示してあった。小さな生き物から、壮大な景色まで、様々な写真が。
私も写真を見て回っていると、ふと1枚の写真が目に入った。何の変哲もない教室の写真。机や掲示を見る限り、おそらくこの教室の写真だと思う。
誰もいない教室。窓からは青い空が見えて、教室に光が差し込んでいる。ただ純粋に、綺麗だと思った。
この写真をもっと見ていたい、どんな人が撮ったのか、色々な感情が頭を巡る中、写真の下に、人の名前が掲示してあることに気がついた。
「櫻田…隼人…?」受付の先輩のことだ。下の名前、隼人さんって言うんだ。