鬱も少しづつ改善し、そのまま何も無くすぎるかと思ったが、突然私は別れを告げられた。「ごめん、別れよう。」私は何故かその時安堵した。「やっと開放される」それだけだった。でも前と変わらず電話もデートもした。都合のいい関係とでも言おうか。私はそんな関係に完全に依存しきっていた。
それから少しして私たちは中学を卒業した。つばさとは別の高校へ進学し、毎日会えない代わりに電話を必ずした。寝落ち電話ではなくおやすみと一言言ってから電話を切るのが私たちだった。たまに2人で会うものの変わらず誰にもバレないいつもの公園で、決まって遠出はしない。学校が離れて初めての夏休み、私はつばさに花火大会へ行こうと誘った。高校でも野球を続けていたため、最初は練習で疲れているからと断られたものの、やっぱり行こう、と決断してくれた。本当に楽しみで、祖母に浴衣を着付けてもらった。待ち合わせ場所の最寄り駅。じゃあ行こうかとホームに向かう寸前で「やっぱり無理やめよう。誰かに二人でいるところを見られたくない」呆気なく私の期待はバラバラに砕けた。そうして私の中で何かも同時に砕け散った。「あぁ私いらないじゃん」と。