凄く懐かしさを覚える手記だったなと思いながら、おばあちゃんの元へ戻る。
コンコンとノックをして、台所に入る。

「あばあちゃん!この手記、もらってもいい?」
先ほど見つけた、手記をもらってもいいかとおばあちゃんに聞く。

「あぁ、もらっていって良いよ。」
おばあちゃんは、私に背を向けたまま返事をする。

「おばあちゃん?お、ばあちゃん?」
私が、声をかけると、おばあちゃんの頭の上に謎の”数字”が出てきた。
何だろうこの数字、すると急激に数が減っていく。

「皐月、お饅頭美味しかったよ。おばあちゃん嬉しいかったよ。」
おばあちゃん?なんだかおばあちゃんの声が心なしか、悲しそうだ。
「おじいちゃんが、いないとね、悲しいんだよ、皐月が来てくれてうれしいよ。」
おじいちゃんが、居なくなって、悲しいのは、私だけじゃない。
おばあちゃんは、ずっと寂し想いをしてきたんだろう。
おばあちゃんは、少し弱い声でこうつぶやいた。
「皐月、ある言い伝えを教えよう。もう次から、おばあちゃんの家にきちゃいけない、わかったか?」
「え?」

家に来ちゃダメ?どういうこと?
「お、おばあちゃん、嘘だよね?一緒に話そう、遊ぼう、ねぇ、おばあちゃん。」

「皐月、、、」
「皐月言い伝えはね」

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空に円を描いてごらん。
たちまち元気が湧いてくる。
豊穣の神のご加護を受けて

三度円を空へ描いて歌う鼻歌
手にはハートの中に桜を描いて、三度口元に運んだら、音が静かに降ってくる。

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