件名、おじいちゃんへ

拝啓

天界では、春らしい暖かな日差しに照らされ心和む日々が続いています。
体調は大丈夫でしょうか。
春の暖かい日差しに照らされ、作物の実りが良くなるように日々、
祈りをささげています。また、一緒にお話をしたいです。
最後に、姫としてではなくあなたの孫として、言っておきたいことがあるの。

どうか生きて、おじいちゃん。私はあなたと一緒に秘密基地へ行きたいから。

「また、一緒に月を見たいから。」

敬具
豊穣の女神より

明日、月を見るために僕らは生まれてきた。〈完〉